top of page
検索
ひまわりについての展望
まあ畑の花といえばひまわりであるのでひまわりを畑に植えるのだ。ひまわり畑、けっこうじゃないか。ロマンじゃないか。お花畑じゃないか。 うちの畑はやたらとでかいため半分を休耕地扱いにして半分に野菜を植える。休耕地にはひまわりを咲かすのだ。ことしはひまわりの半分を直播きとし半分を育苗ポットで育てたのち植え付けを行ったがどうもポットのほうがよく育った。 と思ったが違った。 昨年のこぼれ種から勝手に伸びた野良ひまわりがなんと3メートル級のデカデカひまわりとなり、しかも首が九本に分かれたヤマタノオロチヒマワリとなりいまも風に吹かれている。これはどうしたことだ。丹精込めてポットを用意し育苗用の土を買いタネを撒き蝶よ花よと水をやり世話したひまわりよりも野良ひまわりのほうがモノスゴイ成長を成し遂げたのだ。ヤマタノオロチヒマワリは大嵐が来たときに夫に支柱を立ててもらっていたがそのせいもあるかもしれない。 しかし根本的に、わたしはひまわり畑作りを間違っていたのかもしれない。 チャッピーに聞いてみたところなんとひまわりは交雑をするのだという。たしかに昨年はロシアから来た

すずめや
20 時間前読了時間: 2分
近所の神さま
ぜんぜん氏神でもなんでもないけどぬげたの散歩の途中におやしろがあるのでだいたい毎回寄るようにしている。滝の大明神と書いてあるので特にわかりやすいご利益はなさそうだ。まあでもご近所付き合いというのはいいものだ、とこちらに来て思うようになったので寄っている。 たぶん日常的に参拝されている人はほぼいないのじゃないかと思う、立地的にも、人口総数的にも。はじめは神通力パワーでなんとか日々の辛いこと、大雨の日に風呂の水がなんとなく緑色になるのをなんとかしてくれとか月末の支払いがやばいとか出張先でしっかりお客さんがきますようにとかそれっぽいことを願っていた。でも日常的に寄るようになってあんまりそういうことを言わなくなった。 今日もぬげたを引きずって(ぬげたはなぜか鳥居を潜るのが嫌みたい)、おやしろのまえにてんと立ち、二礼二拍手。 かみさまこんにちは、今日は夫が買ってくれたスパークリングワインを飲みたいけどぜんぜん献立が決まりません、そういえばかみさまはスパークリングを飲んだことがありますか、飲んだことがないんならうちにきてちょっとくらい飲んでもいいよ、ぜんぶは

すずめや
3 日前読了時間: 3分
大阪で遊んでるよ日記続き
未だ引き続きうめだ阪急での行商の日々を過ごしております。百貨店で販売をしたあとはお楽しみの時間です。 京都にいて、まだ製本で飯が食えてなかった長い時代に働いてたとこのバイト先の後輩が誘ってくれて酒を呑みに行った。出会った頃から約10年の時が流れたという。出会ったとき、彼はまだ19歳だか20歳だったんだそうだ。ヒヨコは初めて見たものを親と思ってあとをついてくるというがたぶん若かった彼が初めて見たいかれた大人がわたしだったんじゃないかなと思う。京都から離れて5年も経つのにちょくちょく関西での出展に顔を出してくれている。わたし好みのきたねえちっちぇえ居酒屋で話に花を咲かせる。若い子の恋の話ってなんでこんなにいいのか。栄養がある。 歳上なんだし多めに出そう、と構えていたのに今日はご馳走しますと強く言い放ってくれてそれがなんだか出会ってからの長い年月で彼が身につけた大人なんだなと感慨深くなった。ちょっとだけ出させてもらう形でお言葉に甘えた。 クリフェスのボスとパイセン、タコベルの彼女と四人で彼女が予約してくれた多国籍料理の店でゆったりといろいろ知らないもの

すずめや
8月24日読了時間: 3分
中間報告
うめだ阪急で行商をしております。 毎度お馴染み愛するクリフェスのメンバーとの大阪の日々。 とりあえずまあ初日は粉もんだろ、ここは大阪。 博多のときにも登場したシホさんとお隣だったので初日は疲れたしなんかさくっとごはんにしよ〜、でシホさんともひとり菊田さんと3人でお好み焼き。お好み焼きといえどわたしのお好みは断然にモダン焼きである。麺がなきゃだめだ。お粉だけではだめなのだ。シホさんも菊田さんもたまたま同志であったためプラス300円の壁をのりこえ豚玉モダンをみっつ。 アチアチの鉄板の上で焦げてゆく焼きそばを待つ嬉しさ。モダン焼きは例の広島のやつと違って完全に層が分離しているのでそのすきまにソースやマヨネーズを足したりして、菊田さんはそうだ、ラヴェルの映画を一緒に観たひと。ブログ読者の皆様覚えているかな。 シホさんがモダン焼きに一味唐辛子をたくさんかけたので、いまモンゴルの砂漠に一味さんという友だちがいっていて、骨の発掘にいってるんだって話をする。一味さんから聞いた骨の話を受け売りで語るとふだんはおちゃらけた目の前のみんなが生命の起源とは、というスイッ

すずめや
8月23日読了時間: 3分
めちゃくちゃな日
大阪に来た。なんとか来た。 まず朝早く起きてぎりぎりになってたものを仕上げてスーツケースに詰め、バタバタと右往左往、夫に盛岡駅まで送ってもらい、仙台ゆきの高速バスに乗って一息ついて席に沈み込み本を読む。合間に搬入前にお茶に行こうと予定していた友人とやりとりをしていたら、メッセージの到着とは違う種類の振動を、スマホがした。 なんだ、と開いてみると飛行機の欠航。 全国的に晴れて穏やかな陽気なのに? 理由は機材整備のためだとのことだ。なにそれ!! 振り替え便があるというのを見てみたら関空着は夜9時半を過ぎている。搬入に間に合わない。とりあえず払い戻しをかけ友人にメッセージを送る。この会合はすでにわたし都合で一度リスケしているのでバカほど落ち込んだ。機材整備。機材整備ってなんなんだよ。 チャッピーに相談してみたところ、新幹線なら間に合う、大きい荷物があるならみどりの窓口に駆け込むのだ!とご助言を頂戴し、友人からもとにかく落ち着けとメッセージを貰い、仙台駅に到着して、とりあえず九兵衛理髪店へ行った。わたしのなかで九兵衛理髪店に行くのは出張前の儀式みたいにな

すずめや
8月19日読了時間: 6分


はらぺこあおむし
あれは理科の教科書だったか、図鑑だったか、絵本だったか。 ちっちゃなちっちゃな蝶々のたまごが孵り、あおむしになって、蛹になって、蝶々になるまでを図解した本があって、それをくりかえし読んでいた。ちっちゃなたまごから孵ったちっちゃなあおむしはまず、自分のたまごの殻を食べて、それではっぱの表面をちょっとずつかじる。まだちいさいから表面しかかじれないのだ。あおむしは自分の体よりずーっとたくさんの葉っぱを食べて、いっぱいみどりのうんちをして、あっというまにでっかくなって、蛹になって、蝶々になる。あおむしの日々はモリモリの食う出す食う出す、日々どんどん大きくなっていく。わたしはその様子が好ましく頼もしく、好きだった。 けれどもうわたしはあおむしの捕殺になんの感慨も持てなくなった。なんならぶっつぶしてやるぞくらいの気持ちだ。大好物の芽キャベツにはあとからあとから蝶々がやってきてたまごを産み付け、朝晩念入りに葉の裏までみても毎日あおむしをみつける。去年までくらいはあおむしの捕殺は嫌な仕事だった。可哀想だ。こんなにやわらかく、透き通ったみどりの美しいあおむし。これ

すずめや
8月16日読了時間: 2分
日々の変化
夫が仕事を変えたので日々のサイクルがけっこう変わってまだ慣れない。ひとりでいる時間がぐーっと増えて、というか夫が仕事でいない時間がぐーっと増えたので家のことをたくさんしなきゃならなくなった。まあいままでがおんぶにだっこすぎた。 朝から晩までずーっと製本をやり続けるという感じでもなくなった。畑も触らなきゃいけないし、ぬげたの散歩にもいかなきゃならないし、晩ごはんだって昼ごはんだって作る。いや羅列するとなんて当たり前のことだろう。甘えていたなあと思う。 毎日野菜の様子をうかがい、畑をほじくり返していて両腕が常にくたびれており、爪には土が詰まっている。猫たちは爛々とかまちょの姿勢、ぬげたのお散歩いこうのお誘いはささやかで、見逃さないように気をつける。 朝から晩までずーっと製本だけやってたかった。 むかしはそれが夢であった。 でもいざこうやって暮らしに比重がかかると、ああただ暮らすってこんなに健やかなことなのかとしみじみと沁みて、この実感はしっとりと重い。浮き足だった空想に紐をつけて地面に足をつけて歩いている。 家にいたいなって思う。 ここで暮らすをずっ

すずめや
8月13日読了時間: 2分


ブッチュアブ
みょうがが出てきたので毎日やぶをかきわけせっせと地べたを這いずり回って全身泥だらけになりみょうがをとっている。とれたてみょうが便の季節だ。べつに這いずり回るのも泥だらけになるのも苦にならない、それよりもみょうがをとる楽しみの方が優っている。朝から汗だくになりシャワーをあびるのもいい。日に何度も風呂に入るっていいじゃん。今日は三度目の風呂があってかなり気分がいい。 まあいいんだけどアブがなあ〜アブが。アブがなきゃなあ〜。 吸血虫アブの野郎は大中小とさまざまなサイズでめちゃくちゃおる。スズメバチそっくりのカラーリングのでけえのもいてそいつは見た目が一番怖い。でもやっかいなのはちいちゃいやつ。服を貫通して肌を刺してくる。いたっ!て思った時にはもう遅い。こないだは脳天を二箇所やられてそこがたんこぶみたいになってかゆくてむかついた。あたまをぼりぼりかくのもみじめだ。 こんなに脳髄に近いところを刺されてしまってはアブ人間になるかもしれず、そのうち目玉が二つに割れ四つに割れ八つに割れしてだんだん膨らみ複眼となりくちびるはだんだんととんがり始めていくのだと妄想し

すずめや
8月6日読了時間: 3分
公募ガイド買った
先日の日本橋丸善では本の話が合う作家のお姉さまがいて、あれ読んだこれ読んだと読書談義で盛り上がった。 猛暑もあり雨の日もありで悲しいほど売り場は静かで、いろいろ話してるうちにお姉さまが私の掌編集を買ってくだすって、あっという間に読んで、誉めそやしてくれた。それで充分嬉しかったのにお姉さまは作家業が身に染み付いているからだろう、ちゃんと本出してみたら、ということを繰り返し言ってくれておだてられ木に登り、公募ガイドを買った。雑誌買うのなんて何年ぶりだろ。 公募ガイドというのはその名の通り、多種多様なジャンルの公募が網羅された雑誌。ぺらっぺらの灰色の藁半紙に、おじいちゃんならすぐ投げ出しそうなちっちゃな字でありとあらゆる公募情報がみっちみちに掲載されている。 前述の通り、売り場は閑散としていたのでお姉さまたちと公募ガイドをめくり、これはいいあれはいいと夢想を繰り広げ、まあたいそうそれが楽しい。 売り上げがみんなあんましだったので賞金の額を見てはこれなら応募してあげてもいいねなどとふざけたり、これに受かって賞金が入ったらみんなで焼肉屋に行くかお寿司にする

すずめや
8月1日読了時間: 3分
去り行く太陽
日本橋丸善の一週間が終わった。 なんども来ている場所だけれど今回は違った。 以前もブログで触れた、日本橋丸善一階の太陽たちが所属する会社のお仕舞いとともにもう丸善からいなくなるという。これは本当に大変なこと。 ふたりの太陽たち、ひとりはオレンジ色の太陽で、ミュージカルの大御所、クリスティンチェノウェスにそっくりな太陽、じゅんこ。もうひとりは夏の白浜のてっぺんで爽やかに笑う白い太陽そのもののような、じゅんこ。太陽たちは名前が同じなのである。 丸善一階の皮小物やバッグ、ネクタイや傘を取り扱うスペースの一部が我々行商作家のイベントスペースである。そしてそこには太陽たちの働く会社の商品をならべた常設のブースがあり、太陽たちはそこで販売の仕事をしている。 はじめて日本橋丸善に仕事に来たときはそのまぶしさに大層驚き、そして夢中になった。 そも、丸善と聞いたときに想像する社風、例えば折り目正しい態度の書店員、満遍なく偏りなく、しかし豊富に揃えられた書棚、"きちんとした本屋"、それが大多数のみなさんの印象であろうと思うし、実際内部に侵入して商売をさせていただいて

すずめや
7月28日読了時間: 4分
むいてるかも
名古屋三越と東京日本橋をハシゴして遠征、 ようやく終わりが見えてきた。 近ごろカプセルホテル九時間屋に心酔していることをくりかえし綴っていたが、わたしはカプセルホテルが好きなのか九時間屋が好きなのかという疑問を確かめるべく今回の東京ではカプセルホテル鐘鳴屋に宿泊してみている。 悪くない。 えっ悪くないねカプセルホテル。 我々行商の作家は遠征費は基本自腹である。 宿代を安く済ませようとするとまずいちばんに選択肢に来るのはゲストハウス。 はじめのころはゲストハウスを利用していたが、知らない人と二段ベッドに寝ること、トコジラミの恐ろしい噂、やたらフレンドリーなスタッフと客同士(これは人によっては良い点になるだろうが根暗なのでいやんなったのである)、そしてコロナ禍がトドメになってゲストハウス泊は生理的に無理じゃとなってしまった。 そんでカプセルだって同じようなもんだろうと思ってほとんど泊まったことがなかった。 カプセルホテルは基本的に人とすれ違ってもコミュニケーションが生まれないのがよい。ごく狭いスペースをフルに使うべくすべてが作られているのでたいへんに

すずめや
7月24日読了時間: 2分


出発の日
今夜の夜行バスで名古屋に行ってそのあと東京にいくのだ。まる10日間うちをはなれるのでとてもとてもさみしい。 今日の夜中はみんみに三度起こされた。 マァーオと恐ろしい唸り声で起こされ、しっぽがぼんぼんになったみんみは窓の外を睨んでマァーオを繰り返している。近所に住んでいるどろぼうひげの模様の白茶トラだ。どろぼうひげの模様なのでどろぼう猫と呼ぶ。 どろぼう猫はたまにこうやってやってきては唸るみんみをおちょくっている。こんな夜中でも外を出歩くどろぼう猫は家の中でぬくぬく生きているみんみなんかちいとも怖くないようだ。目をきょろきょろさしてこっちをみている。どろぼう猫はちっちゃくて目もおっきくてかわいいのでもっと近くで見てやろうと網戸に頭を押しつけてみたらどろぼう猫に飛びかかられた。網戸がなければ顔面をやられていた。やはり我々のことを舐めているのだ。 どろぼう猫がいなくなって落ち着いてとろとろ眠りに落ち始めたころまたマァーオが始まった。違う窓のとこで唸りまくるみんみ、こっちを見ているどろぼう猫、そのうちあかんべでもしてきそうな顔に見える。...

すずめや
7月18日読了時間: 4分
畑のこと
未だ梅雨明けぬ岩手。 こないだの出張のときに大雨が降って、山に囲まれているうちでは大雨が降ると近くの川が増水して、そんでうちのまわりにいたけものたちが川を渡ってじぶんちに帰れなくなって、その日は畑が荒らされる。たぶんじぶんちのとこにはごはんがあるけど帰れなくなったら手近にあるうちの畑をけものたちは掘ってしまうんだ。 留守の日の大雨で夫はずいぶんリカバリをがんばってくれたけれどさつまいももやられてひまわりもやられた。 帰ってきたらしんなりしちゃったひまわりとその他諸々の苗があって、でも夫はわたしのひまわりに支柱をたててくれていたりネットを張ってくれていたりして、がんばってくれたのがよくわかった。 畑を荒らすけもののなかでもいのししはとくに意味がわからん。さつまいもが食べたいなら苗を荒らしちゃいけない。いもむしはやわらかい葉っぱしか食べられないくらいくちも体もやわらかいのだから若い芽を食べるのはわかる。ことりだってくちばしがちいさいのだからブルベリや豆の新芽を食べるのはわかる。いのししはそんなこと関係ないみたい。猫や犬よりぱっと見脳みそは大きそうに見

すずめや
7月15日読了時間: 3分


博多食い倒れ紀行
博多阪急の一週間、どうもご来場ありがとうございました。 博多では飯をめちゃくちゃ食うた。 この一週間は愛する九時間屋に宿泊したのだがそこにおっさんばかりを執拗に作るおっさん作家のシホさんが共に泊まっていたためシホさんとよく一緒に飯を食った。 初日の夜はとんこつラーメン。 ぜったいにキクラゲが乗っているやつがよかった。ドロヘドロの二期も観たところだし。 シホさんは飯の際えりもとに手ぬぐいをぎゅっと押し込めて金太郎のようになるのが定番なのだけれどこの日はそれをやり忘れてさっそく上着にラーメンの油を飛ばしており、しかもシホさんは上着を洗濯せず着回すつもりだったので大慌てでありただそれだけのことが疲れ果てていたせいか妙に面白くやたらと笑っていた。 博多のラーメンを食うときは替え玉をする。 バリカタというのを頼んでみたらラーメンの骨みたいなやつがでてきた。博多っ子はせっかちがすぎる。 朝食、まずは定番の喜水丸。 ここでは朝定食に明太子と高菜の食べ放題がつく。生卵定食にいたっては味のりと生卵とお味噌汁に小鉢とごはんがついて890円、しかもごはんもお味噌汁もお

すずめや
7月8日読了時間: 6分


愉悦を呑む
ちかごろ出張先で鬼殺しを呑んでいる。 決して旨くはないのだが呑んでいる。 鬼殺しを呑んでいるというよりも愉悦を呑んでいる。 そも、ストローつきの紙パック飲料には健やかなイメージが強くある。カルシウムを補う牛乳、ビタミンたっぷりのオレンジジュース、腸を生き生き乳酸飲料、1日分の野菜これ一本。 対して鬼殺し。 震える手で持ってもかならず吸い口に辿り着けるように伸ばすストロー、吸ってみれば醸造アルコールたっぷりの甘ったるい酒、しつこい後味、頭の痛くなりそうな、悪い酒。 この対比がいいのである。 わたしはストローで悪い酒をチュウと啜る。チュウチュウと啜る。明るく清潔な都会のコンビニエンスストアで、ケータイピッと電子マネーでスマートに会計した鬼殺しを啜る。 それは完璧にデザインされた宿の洒落た共有スペースであったり、夜深く華やかな繁華街の道すがらであったり、東京駅を臨むきらきらのベンチの上であったりする。 これが愉悦でなくてなんであろうか。 清潔にぴっちりと整えられたシーツの上に倒れ込むときのあのさっぱりとした嬉しさ、そいつをすこしペンチでねじって叩きつけ

すずめや
7月4日読了時間: 2分
福岡へ
いまから福岡に飛び立つ飛行機に乗る。 七月の博多は初めてなので楽しみだ。 それになんだか平和だ。 なぜか博多に行くときは家族の変調があったりそのあとだったりしてそわそわすることがあって、でも今回はそんなことなし、それに優雅に飛行機、そして九時間屋への宿泊だ。 いま九時間屋に恋をしている。 前回福岡に来た時は鳥栖(佐賀県)に宿をとって、鳥栖の街がずいぶん気に入って、今回もまた鳥栖で宿をとっていたのだけど九時間屋がめりこんできた。鳥栖をキャンセルし博多駅前の九時間屋に変更。恋は盲目でありいま九時間屋に泊まることがとてもとても楽しみ。 頭からかぶるでけえシャワー。 この調子で変えられる宿は軒並み九時間屋に変えてしまった。 福岡では山笠というまつりの最中なのだそうだ。 土地のまつりは良い。 今回いつも10月だった福岡が7月にずれたことで我が集落のやまのまつりにも参加することができるようになった。加えて博多でもまつりだそうだ。たくさんのまつり。踊らにゃ損というやつだ。

すずめや
6月30日読了時間: 1分


平和な日
2日前にチェンソーで薪作りをした反動がまだ身体に残っていてガタガタのヨボヨボで朝は夫より遅く起きた。うつらうつらの寝床のなかで夫が猫にご飯を用意する、食器のかちゃかちゃ鳴る音や猫の歓喜の声を聴いていた。 起きると湯が沸いていて珈琲カップが用意されていた。豆を挽いて朝の一杯。 夫は仕事に出かけわたしは仕事をしてから歩いて集落のお花植えに出かけた。毎年の、我が集落の可愛いイベント。自治体主催の環境美化の一環らしいが、プランターにいっぱいマリーゴールドを植えて並べ、みんなで写真を撮る。 歩いている途中集落のご婦人が車で通りがかってLINEの交換をする。ご婦人はおでかけだったので行ってらっしゃいを言う。 8時に集合とのことで、時間きっちりに着いたのにすでに集落のみなさんは集まってなにやらしていた。集まりのとき、岩手の人々は早い。 培養土の袋を開けて、プランターに土をいれて、苗を植え付けていく。トラクターで近所の紳士がプランターを乗せる台を土を寄せて作る。余った苗は分け合って、よっこいせとみんなでプランターを運んできちんと並べ、記念写真。...

すずめや
6月27日読了時間: 4分


犬と寝た
こないだぬげたと一緒にベッドで寝た。 寝室は基本的に猫たちのテリトリーでぬげたはよっぽどのことがないと足を踏み入れないし、ぬげたはでかくておふとりさんなのでベッドに登れないけれど酔っ払った夫が抱き抱えてベッドに乗せた。 ぬげたは自分の寝床を整えるときにするように前足でふとんをぐちゃぐちゃと整え(夫は整えというが整ってはいない)、どっかと笑顔で横になった。 ぬげたと初めて一緒にベッドで眠る夜。 ぬげたはわたしの足を枕にして一晩中そこにいた。物理的に降りられないというのもあったかもしれないがそれにしても先に眠りに落ちて動いていない夫ではなくわたしの足を一晩中使っていた。なのででかい犬と寄り添い合う一晩、それはわたしのものであった。 足に伝わるぬげたの寝息、たまに起きると呼吸は変わり、深く眠り夢を見て変なぴくつきをしたり、夜中に咳き込んだり、そういう犬の一晩をからだで感じた。 ベッドの上はふだんはめーめ(猫)の場所だ。 愛されていないと気が済まない強気のめーめは人間たちを独り占めすることが好きで、まあ別にみんみやヤン子が乗るのを許さないというわけでもな

すずめや
6月22日読了時間: 3分


いわて銀河マラソン
今年もこの日がやってきた。 50キロや70キロや100キロを朝の四時とかから走り続けるいかれたランナーたちを労る場所を集落のみんなで運営する日だ。毎年わりあい楽しみにしている。 マラソンランナーたちはぱっと見たところみんな細っこくてひょろりとしていてなんなら白っぽい。私服でいたらずいぶんか弱そうに見えるだろうなという人が多いように思う。けれど彼らは100キロを走るランナーなのである。 我々の運営するエイド(休憩所のことをマラソン用語でそう呼ぶらしい)は100キロ走る人々からすると86.3キロ地点。フルマラソン2回ぶん、とうに走った距離。細っこい肉体にはよく見るとしなやかに無駄のない筋肉がひっそりとへばりついており、なめらかである。上気を通り越して真っ赤になった皮膚、あれは日焼けだろうか、筋肉をあまりに使ったための炎症だろうか。 ランナーたちは正しく明るく礼儀正しい。 わたしのような人種が普通に過ごしていたらまず出会わないタイプの人間がものすごい勢いでものすごくたくさんの数、目の前を通り過ぎ、みんなで用意したテントの下で休み、飲み物を飲み、くだもの

すずめや
6月14日読了時間: 3分
日記
オレンジ色のきいちごが実り、くわの実はまだもうすこし。 犬を連れ歩く合間にむしりとって食べる。甘いのとすっぱいの、食べてみるまでわからない。小さいころ通学路に鈴なりになっていたきいちごを執拗に食っていたことを思い出す。大人になってもやることがかわらない。 薪屋のまきじいがお家の解体で出た柱やなんかをでかいトラックにのせて譲ってくれた。丸鋸で切り刻んで薪にしているのをみて電気チェンソーを貸してくれたのでわたしはチェンソーマンとなった。まきじいは薪を売っているのにうちがあまりにも薪を焚きすぎるので心配して木材を分けてくれるのだ。そんなに薪を無駄遣いしているつもりは毛頭ないのだけど一日中家で仕事をしている人間のいる暮らしをまきじいは知らないのかもしれない。いやでもやっぱり我々は寒がりなのかもしれない。 解体で出て来た家具もいくつか譲ってくれた。埃まみれなので晴れの日に丸洗いする。家具を丸洗いするなんて発想が出てくるのが田舎のでかいうちならではでそれすら嬉しい。やはり広いところでのびのびしているのがいちばんだ。 カラスが鳴くのを真似してこちらも鳴くと呼応

すずめや
6月10日読了時間: 2分
bottom of page
