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お誕生日会をやってみよう
それを言ってくれたのは、 すずらんというよりも、塔の上で高く鳴る鐘のような女性だった。 ふたまわりも年上の旦那さまと駆け落ち同然で結婚し、ぞっとするような苦労をされてきた。 お子さまが3人いらして、小鳥も飼っていて、 お料理も好きで畑もやるというので自然と家族の話が多くな...

すずめや
5月19日読了時間: 3分


緩みゆく憎しみ
カメムシの野郎のことをすごく憎んでいることは常々書いてきたが、ふと気づくといまはそこまでの感情を持っていない。 春カメムシの季節であるのに。 ほかにごちゃごちゃ抱えていることがあるというのも大きいだろうが、なんだか執着がすっと抜けた。...

すずめや
5月16日読了時間: 2分


猫の目と水族館
昨晩神戸の宿に辿り着き、夕方の搬入までようやくひとりでじっとしていられる時間ができた。 朝ごはんを買い込んで当宿したので今のところ一歩も外に出ていないがそろそろ腹が減ってきた。 お昼を食べるためには外に出なければならぬ。 重い腰を上げて湯に浸かった。...

すずめや
5月9日読了時間: 4分


名古屋ラシックありがとうございました
濃密な1週間が終わりました。 このまま家に帰れず神戸に移動。 なんだいなんだい。 楽しきクリフェスの仲間たちとの1週間でございました。 ワンオペ出展が基本なので、はしゃいでしまいますねやっぱり。 いま女子高生に大人気だというマーラータンのお店に連れて行ってもらいました。...

すずめや
5月7日読了時間: 4分


そうだったんでしょうか
こないだの京都の展示に久しぶりに友人がきてくれた。 会ってはいたけどゆっくり作品を見てもらうのはすごく久しぶりだった。 その人は言語野がしっかりしているタイプなので感想を送ってくれた。 その感想が、近ごろなんだかもやもや考えていたことの輪郭をはっきりさせてくれた。...

すずめや
4月28日読了時間: 3分


春の大風の日
今日は集落のひとたちにたくさん会った。 我が集落はうちよりすこし奥にみんなの家が固まっていてうちだけぽつんと建っている。 だからそんなに道端で会うことってない。 でも今日は朝早くから迷い犬を連れたお兄さんがやってきた。 ずぶ濡れで震えた中型犬。...

すずめや
4月27日読了時間: 4分


土いじり開始
春だ春だ。 土をほじくり返すのだ。 うちには裏にも表にも畑がついている。 表の畑は今回、秋に蒔いたほうれん草と菜の花がなぜか越冬しにょきにょき伸び始めたため、耕すのは少し後にしようとなった。 それに表の畑は広くて、いつも集落の紳士にトラクターを出動してもらうため、春先の畑の...

すずめや
4月24日読了時間: 3分


眉毛の謎
京都にやってきた。 今回はお宿が微妙な遠さなので、少し早めに恵文社さんに到着してそのへんの公園に座ったりして時間を潰している。 恵文社さんのむかいにはなんの変哲もないドラッグストアがあって、そこでもぶらついて時間をつぶした。 ドラッグストアの化粧品コーナー。...

すずめや
4月20日読了時間: 2分


あの雨の日
遠くに追いやっていたほうせきの日のことを思い出していた。 あの日のような雨が降っていた。 きつねのしっぽの踊り子を連れて海の向こうからやってきた歌い手が、ダイヤモンドの歌を歌っていたんだった。 あの舞台で聴いていた歌と雨の音を、今日はずっと聴いていた。...

すずめや
4月16日読了時間: 1分


がんばれ
実はここしばらくけっこうしっかりめに腐っていた。 幼少期に自己肯定感が育たなかったため、腐りはじめるとしつこくぐずぐずする。 そういう自覚があったのでごまかしごまかしやってはいたが現実的にどうにもならないことも多く腐りながらも毎日仕事はがんばっていた。...

すずめや
4月14日読了時間: 3分
ふるい日記
今日はたっぷり眠ってお寝坊をして、 古い日記に向き合っている。 週末には京都にもどる。 向き合っているのは京都にいたころの日記。 たくさん人に会って話して話して考えていたみたいだ。 今の生活からはとても遠くてこれが同じ人生だろうかと思う。 これが同じわたしだったのだろうか。...

すずめや
4月14日読了時間: 1分
おでかけ
今日はたいへん珍しく、生活に必要のないおでかけをした。 お店屋さんめぐりである。 先日の東京出張で、ふしぎなことに盛岡のお店に詳しいお客様に会うことができ、岩手で販路を探すならこのお店がおすすめですよ、的なお店屋さんをいろいろ教えていただき、のこのこと出かけた次第。...

すずめや
4月12日読了時間: 3分


新しいともだち
丸善丸の内本店での一週間の出展を終えて猛ダッシュで駅に駆け込み新幹線に乗りました。 閉場時間が午後5時、可能ならば一番近い6時20分初のこまちに乗りたい。 これを逃すと雫石へ一本で到着する新幹線は2時間後なのです。 大慌てで片付けて6時に丸善を出てエスカレーターをくだりなが...

すずめや
4月8日読了時間: 3分


東京へ
冬籠りを終えて東京にやってきた。 久しぶりに乗るこまちの車窓、この時期は枯れ木の冬から桜咲く春へと季節が変わってゆくのを眺めることができる。 少し前まではそれを楽しみにしていたのだけれど、もやもやと考えごとをしているうちに眠ってしまった。...

すずめや
4月3日読了時間: 3分


ヤン子手術
当日の朝はまだ暗いうちに起きて、外に出ると三日月が出ていた。 紫がかったうすい群青の空に、うすい刃物のように光っていた。 杉の木が月光を背後にまっくろに佇んでいて、黒い犬がせかせかと歩き回っていた。 冷たい風がそよと吹いた。 ついにヤン子の避妊手術。...

すずめや
3月25日読了時間: 4分


出た
ブログ本が出た。 出たっつうか自分でまとめて印刷所にお願いをしたのやから出したということになるわけだが、 だがそれでも出た、というかんじがつよい。 そもそもわたしから出てくる文章って切った爪とか落ちた髪の毛がひとりでに動いているみたいなかんじのものなので出た、という感想にな...

すずめや
3月20日読了時間: 3分


最後の雪
もうおそらく、積もるような雪は終わったと思う。 こうして春の前に積もる雪はべちゃべちゃで、したがってこの時期の雪かきはシャベルで水のかたまりをすくっているようなものでありたいへんしんどい。 ひ弱な作家業の身ではひとしお。...

すずめや
3月19日読了時間: 2分


薪棚ができた
かねてから作りたくて作りたかった薪棚をついに作ることができた。 まず第一に我がちいさき車では材料を運べない。 第二に薪棚を置きたい物置には残留物が多く、この残留物はゴミセンターに持ち込まなければ処分できないが我がちいさき車にはそれらが載らない。...

すずめや
3月14日読了時間: 3分


長い一日
近ごろ、3月に入る前くらいからだろうか。 ひとりで作業している間の時間がぐーっと伸びている感覚がある。 一日がとても長い。 たまにそういう時期がある。 単純に仕事に集中しているからだろうか。 であれば出張前なんかの、やること山積みのときにそれがきてもよさそうだがそういうこと...

すずめや
3月8日読了時間: 1分


乱闘
出会った時から仲の悪いことで有名なめーめとモンティーヌがお互いに怪我を負う喧嘩をした。 近ごろモンティーヌはなんだかかまってちゃんであった。 いつもより人間を呼びつける回数が多くなっていたように思う。 それに末っ子のヤン子がとびかかったりパンチしてみたりするじゃれあいをして...

すずめや
2月27日読了時間: 4分
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