気にしない犬
- すずめや
- 2025年12月28日
- 読了時間: 2分
犬のぬげたはずいぶんマイペースだよなあと思う。
犬といえば人間の友、いつでも目を輝かせて主人を迎えにきたり投げた棒などをとってきたり寂しい時はクンクン鳴いたりするものだと思っていたがぬげたはどれもしない。
ストーブのそばにマットレスをひいてもらってずっとそこでどかんと寝転んでいる。ハイジの犬に憧れて犬枕をしてみたいと何度もチャレンジし続けたおかげで近ごろは犬枕的なことをしても逃げなくなったが嬉しそうではない。
慣れてきてくれて抱きつくこともできるようになったが嬉しそうかというとそうでもない。
今日はつるつるの道を一緒に散歩に行った。
ぬげたは冬になると特に散歩を張り切るように思う。雪が好きなのだ。きのうは雪が降っている中を散歩にいったので興奮して私のことなどお構いなしにすごいスピードで進んでいくので後半はもう息切れしてバテてしまった。
今日は雪が降ってなかったのできのうほどのハイペースではなかったけれど、だけれど。
ぬげたはつるつるの道で足を取られ、転んで地面に手をついたわたしをちらと一瞥するとなんと転んだままのわたしをそのまま引っ張っていこうとした。わたしが転んだことはどうでもいいのだ。なんてことだ。
というかぬげたは自分が転んでも(犬なので滑るくらいだけど)ほとんど気にしていない。穴に落ちてもあんまり気にしてないし散歩中に歩きながらおならをするのを指摘しても全く気にしていない。開けた精神の持ち主だ。
通りすがりの人に声をかけてもらうとにっこり笑ってよっていこうとするが子どもには明らかに興味がないようで散歩の続きをしようとする。めちゃくちゃ吠えてくる室内犬のいる家の前を通っても全く意に介した様子はない。
ぬげたの好きなものは食べものと車に乗ること、耳をかいてもらうこと。
あと大人の人間はぼちぼち好きみたい。うちの家族以外ではヤマト運輸のお兄さんによく懐いていて、撫でて揉んでもらってはお兄さんのトラックがいなくなるまで玄関で見送っている。
今日もぬげたは催促してもおやつがもらえないとわかるやいなやストーブのそばでどかんと寝転んでプスプス鼻息をいわせてまどろんでいた。ぬげたは動かない。思っていた犬とはちがうけどぬげたというのは犬ではなくぬげたなのだなあと毎日思う。




