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まんがにはまっています

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2020年7月13日
  • 読了時間: 2分

田村由美さんの"7SEEDS"


彼女の作品、BASARAというのがたぶん一番有名かなと思うんですが、高校生くらいのときにだだはまりしていまして、最近この作品を手にとりました。


感情の起伏とかリズムをほんとうに鬼気迫る、というかんじで描いている。

絵柄なんかは、まあいってしまえばちょっと古臭いように感じるかもしれません。

彼女の線のリズムはすごーく不思議で、

ごりごりに濃ゆく、力いっぱい引きました!

っていう線と、

そのへんのサインペンとかでふらふらーっと描いた線と、

ほんとにあまり見ない、彼女特有のリズムで描かれていてわけわかんないところがとても好き。


生死を描く人、という印象です。

もういまはそんなカテゴライズもそう、古臭いものになりましたけれども、BASARA連載当時は少女漫画は少女漫画らしいなんか、こう見えないレールとかくくりとか柵みたいなものがまだまだ強かった。

そのなかで主人公の女の子がドロドロんなって、目をかっぴらいて、息切れしながら必死に生きてゆく様を描いていて、わたしも主人公と一緒に興奮して冒険をしていました。


いま読んでいる7SEEDSは、

遠い未来の話。

地球に大きな隕石が衝突して文明が壊滅することを予測した人間たちが、若者たちを選んで冷凍して、人間が適応できる環境になったら解凍するという術をとりました。

その、遠い未来で、生きていく若者たちの話。

ちゃんと事情を知っているサポーターの大人もついて、何グループかに分かれて、日本じゅうを彷徨っています。

ここで生きていくという意思を、いまみんながつかんだところ。


けっこうえげつなく、人の傷付け合いや、ドロドロも描くんですよね。

筆が進むにつれ、人間としてどんどん描き出されて、立ち上がっていく。

その間の成長も、立ち止まりも丁寧に描き込まれていく。


そんな世界ないのに

わかっているのに

なんだか本当にそこに一緒に生きてるようで

荒唐無稽な風景なのに


わりとファンタジーはファンタジーで楽しむほうなんですが、彼女の作品にはなんか、持っていかれちゃいますねえ。


 
 
 

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