top of page

ふゆのおとと

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2019年11月26日
  • 読了時間: 2分

ストーヴを新調いたしました。

アラジンの背面ついてるやつ。

燃えないようにねえ。

そんな名前だから、名前のそばにランプのマークもついているから、ストーヴが灯油を呑む音が、なんだか魔人が呑んでるみたいで愉快です。

真っ赤に燃えてたのはジャファーだけどねえ。

(ちがったっけ)


載せてるやかんの、水が蒸発するかおりもいいですねえ。

お店を閉めたらすぐスープ鍋をおくよ。

なにはなくともおくよ。

とろとろに炊くよ。

チャイなんかもいいですよねえ。


寒いのは泣くほど嫌なんで、暖かく暖かくしています。

過剰なほどかもしれん。

冬のことは大好きですけども。

寒いのはだめ(体感のはなし)。


冬の空気感はたまらんもんがありますね。

袋から出したての剃刀みたいで、

水晶がそのままそこらじゅうに散っているようで、

なんの音でも呑んじゃうくらい、そとはしずかで。


だから家は暖かいのがいいですねえ。


などと言いますが、いまのとこ、次のすみかの目的地は岩手です。

免許は合宿で岩手にしようとしております。

まず行ってみなくちゃ。

えっ、もちろん好きな男の故郷だからですけど?

宮沢賢治のことですけど?


そんなすぐすみかを変えるつもりも条件も整ってないですしここでまだまだやることあるんですけどねえ、やっぱりねえ、人生のどこかでいいから、賢治のふるさとで暮らしてみたいねえ。

彼のみた風景を時間差でいいから体感して、暮らしたいなあ〜。


きっと冬は厳しいのでしょうね。

空は澄んでいるのでしょうね。

お星さまはたくさんみえて、

きれいないしころをわたしはみつけに

てくてく歩いてでかけるでしょう。

ああ岩手〜。

ree

 
 
 

最新記事

すべて表示
よもぎ饅頭の昼下がり 後編

よもぎ饅頭はコンクリートの道に出て、でんでこでんでこ転がっていった。からりと晴れはしたものの、道路にはまだ湿り気が残っていて、よもぎ饅頭の柔らかな体もうまく傷つかずに転がってゆけた。おなかのなかのつぶあんは初めてのお外への散歩にそりゃあもうわくわくして、 「ちょっとアンタ、よもぎの生えているところはないのかね。わたし、そこまで行ってお外のよもぎに会ってみたいよ。」 と言った。 「そりゃあいい。あっ

 
 
 
よもぎ饅頭の昼下がり 前編

つまんねえよなあ、とよもぎ饅頭は和菓子屋幸福堂の店頭で毒づいた。 もうずっとずっとつまんねえんだよなあ。 昔はちいちゃな子供が目を輝かせて饅頭を買いに来たってえのになあ。今じゃおいぼれのじじいかばばあか、しゃらくせえ気取った着物のやつがエラソーに買いにくるばかりだものなあ。 とはいえよもぎ饅頭は老人のお八つになることも、茶席の菓子となることも、べつに嫌だというわけではなかった。 顎の弱った老人が、

 
 
 

コメント


Copyright © 2018 suzumeya

bottom of page