はぐれもの
- すずめや

- 8月17日
- 読了時間: 1分
すこし前に、アトリエで作業をしていたところ、目の前の畑をイノシシの親子が通り過ぎた。
思わず飛び出してゆくと夫もぬげたを連れてきた。
もうとっくにいないだろうが後ろ姿だけでも見たいと思ったのだ。
それが、まだ近くの草むらに子どもが残っていたのだ。
遠くで呼ぶお母さんイノシシ、子どもは犬にびびってしまって躊躇していたようだが、それでも意を決したように草むらから飛び出していった。
再会できただろうと思った。
なのにちかごろちいさなうりぼうがうちの周りをうろうろしている。
ひとりぼっちで。
小さな鼻で家の周りをほじくりかえしているところを見ると、食事はちゃんとしているようだけれど、どうもひとりみたいで気になる。
かといってあまり介入するのもよくないし、ひとりぼっちに見えるだけでお母さんは近くで隠れているというのもよくあるらしい。
子連れのイノシシは防衛本能で危険だという。
でもあの一件があったのでどうしてもそわそわしてしまう。
もしかしてわたしたちはうりぼうをひとりぼっちにしてしまったのだろうか。
あのときのうりぼうがどうかはわからない。
ぜんぜんちがううりぼうかもしれない。
どうだろう、どうだろう。









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