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くだらない話で安らげる僕たちは

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

じつに12日間の出張が終わって、帰路に着いたところ。

うちに帰れるのは今日の夜。

早くうちに帰りたい。


夏の恵文社一乗寺店コテージ三日間、

道端で元アルバイト先の同僚に会ったり、

馴染みの飲み屋の飲み友達がきてくれたり、

スタッフさんとようやく飲みに行く約束が叶ったり、

友達も変わらず訪ねてきてくれ、

久しぶりのお客さまにも新しいお客さまにも会えた。

なんてことない話をたくさんした。


なんてことない話。

なんてことない話。

それぞれの。


大学時代にずっとアルバイトしていた、いまはなきカフェのマスターが、わざわざおうちから淹れたてのアイスコーヒーとクレームブリュレを焼いて持ってきてくれた。

カフェアノニマのクレームブリュレ、

これを食べられるのはいまわたしだけ、

この世からアノニマがなくなるなんて考えてもみなかったころのわたしがあそこにいて、マスターもご婦人も気にかけてくれて、繋がりが細く続いていたから。


京都ではいつも、昔の縁が、妙なつながり方をして目の前に現れる。

今回もそういうことがあって、なにげなく拾ったものが実は鎖の一部で、じゃらと見えない向こうまで、一個の丸が延々に続いていくのを見るようだ。


宿を出て帰るとき、携帯電話を道に落とした。

気づかずにそのまま駅まで行って、なくしたのに気づいて宿に戻り、スタッフさんに電話をかけてもらうとすぐそこの交番で預かっているとお巡りさんが電話に出た。

とても親切なお巡りさんで、わたしはなんだか、彼と話したことがあるような気がした。

どこかで会ったことがあるような気がした。

声、話し方のくせ、優しく下がる目尻を覚えているような気がした。

昔住んでいたときに、この人と誰かと、酒でも一緒に飲まなかっただろうか、という気がした。

本当にそうだったかは、確認しなかった。

本当にそうだったかもしれないし、勘違いだったかもしれない。

ぜんぶぜんぶそうなんだよなと思った。

あったことを忘れて、また思い出しての繰り返しで鎖がじゃらと繋がっていくのだ。



 
 
 

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