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いろをえらぼう

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2019年8月7日
  • 読了時間: 1分

ゆびさき、二本だけ、爪に色をのせています

手しごとだし、すぐにはげたりよれたりしちゃうからお世話できる範囲の二本だけ。

なるたけちいちゃいのをかって、おわりかけにひとつ足すのですが、違う色をかったかとおもったのにお家に帰ったらおんなじやつでした。


おんなじいろ、違うようにみえていた。

やっぱり視野が変わった。


仕事のとき、よくみえるようにめがねをきつめに作って、いつしか日常までかけるようになって、くらしには必要ないほどよくみえるのがふつうになっていて

ここのところ、立て続けに持っていためがねが二つともなくなっちゃいました。


おけしょうの、いろをのせるいろいろを選ぶ浮かれた気持ちと、画材屋さんで絵の具を選ぶ浮かれたきもち。


視野を決める見えないさかいめ。

見えないのをいいことに、コントロールしてしまおう。

そうでなければまちなかでくらすのは、くるしい。

ってことに、無意識にそうしていたことに、そう、意識的に気づいてゆく昨今です。

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