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名古屋へ

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 10 時間前
  • 読了時間: 2分

岡崎での二週間のポップアップと最終2日間の在廊が終了した。

ペンズアレイタケウチさんはちょっと出会わないくらいおもてなしの精神を発揮してくださるお店で、お昼もスタッフさんが一緒に行ってくださるし懇親会を設けてくださった夜もあり、在廊中も暇こかないようにこまめに話しかけてくださったりして温かいお店だ。


17年。

そうやって人と話している時間が長いとこの続けてきた年月のことを必要以上に考える。

いや、そもそもちかごろ、そのことばかり考えていたのだ。それが触発されてより、思うようになった。


こんなによくしてくださるお店があるのに、17年もやってきたのにわたしはきちんと恩を返せているだろうか。

愛するクリフェスや、丸善さんには?

どうも満足のいくお返しをできていないと思ってしまう。

もっともっとがんばって、もっと返せるようにならなきゃならないんじゃないのか。


こういう欲が出てきたのはたぶん、家族ができて、家族のことをちゃんと大事にしたいとしんから思うようになってからだ。

人間は欲深い、とは文章の上では理解していたけれど、こうやって自分がそう思うようになり始めるとなんともいえない怖気がある。

これまでの道のりだって助けてもらってなんとかやってきたんだっていうのに、いま製本がやれているだけで本当に奇跡みたいなことだというのに、毎日猫に刺身を食わせてやれたらいいなあとか、犬の手術代にびくつくなんて情けないなあとか、お店にお客さんをたくさんたくさん呼ぶことができなくて申し訳ないなあとか、思っている。

死ぬまで製本さえ続けられたらよかったのに。


欲深くなっていくのはまるで醜くなっていくことと同じに思える。

他者を大切に思うが故に醜くなってゆく。

せめて美しい望みで醜くなってゆきたいと思う。

恩返しのために、家族の幸せのために、続けてゆくことを支えてくださったたくさんのお客様のために。


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