夏です
- すずめや
- 14 分前
- 読了時間: 2分
夏といっても猛暑とは無縁の山の中、こちらにはきちんと涼しい夏の朝の時間帯があり、夜寝る時も薄い布団をかぶるくらいだ。
今日も少々は暑かったが、わたしのような特に体を動かす訳でもない仕事ではクーラーもいらない。
近ごろは朝の涼しいうちに草むしりをしている。
今年は雨が少ないので雑草の勢いも心なしか弱いけれど、そのぶん地べたにへばりつくように生えている。
草刈機をぶいぶい言わしてもへばりつきのせいで思うようには綺麗にならない。
薄く青い空気の畑、
近くの川の水の流れる音が木々に反響して響いていて、耳元ではぶんぶんうるさいアブの羽音。
小鳥が控えめに囀る声、むしられた草むらから飛び出していくバッタのちいさく跳ねる音、朝から出かけていく誰かの車が遠くからやってきて過ぎていく。
雑草を土から根っこごと剥がす、抜かれた根はべりべりと鳴って、根についてた土をはらって、かごに放り投げる。
静かな青い朝、土で手袋も長靴もズボンも袖もうすく汚れて、その静かなうちに、もう頭のなかでぐちゃぐちゃになっているいろんなことをどうにか整えようと考える。
もうすぐはじめての盛岡での個展で、あれまでにあれをして、これまでにこれをして、月末のあれはどうしようか、さて、さて、あれは、これは、さあ。
特に整理もできずに終わることの方が多いんだけれど、見るとむしったぶんだけ畑は綺麗になるのだった。

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