お彼岸なので話のわかる友人と彼岸花をみにいってきました。
彼岸花、幽霊花、いろいろ名前のあるひとですが、曼珠沙華と呼ぶのが好きです。
花の中では最も好きなもののひとつ。
茎に毒があるとかで、小さなころはそんなの好きなんておかしい〜とか言われて悲しかった覚えがあります。
毒があるからって、美しいと思う気持ちは、わたしは欠けないよって、いまならきちんと言えるのになあ。
魅了する力のあるものには色気とか色香がある、という感覚がずっとあります。
たとえばきときとのお刺身とか、
よく磨き上げられた刃物だとか、
薄暗がりのなかでひかる漆の光沢、
この花の、花弁のしなやかな反り。
となにも考えずに羅列してみましたが、
艶めき、も共通してますね。
きらめきというよりも艶。
今日は宮沢賢治の命日でもありましたので、天ぷらそばを食べました。
天ぷらそばと三ツ矢サイダーというのが賢治のお気に入りで、愛好家のあいだでは賢治セットなんて呼ばれているそうです。
残念ながらお蕎麦屋さんにはサイダーはなかった。
おうちでできたらよかったなあ。
賢治は、そんなに、魅了、という感覚ではわたしはなくて。
艶よりきらめきっていうかんじ。
お刺身、よりも上手に炊けたごはん、てかんじ。
釉薬のかかった陶器ではなくて、素焼きの陶器。
カットされ、磨かれた石ではなくて、河原に転がっている石。
だから彼のことが好きなんだって気づくのが遅かった。
今日は彼岸花を見にいく途中の大きな川の上、線路にちょうど列車が走って銀河鉄道みたいにみえました。
魅了するものと、体内にしみるもの。
素敵なご馳走と、日々のおまかない。
どっちもあって、贅沢だった。
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