top of page

ゆったりぐらし

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 1月17日
  • 読了時間: 2分

ここ一週間くらいは、早起きしてあせることもなくなった。

日が出るまでゆっくり眠っている。


いろいろ逆算してあわせてこなさなきゃいけない作業もない。

薪を運び入れるのも、雪かきをするのも、些細な家事のひとつひとつたちが、こなさなきゃいけないなにか、ではなくてゆったりとした日常の流れの一部というかんじだ。

相変わらず夫は素晴らしいご飯を作ってくれ、夫の仕事の時には夫の帰るに合わせてわたしもご飯を作る。

些細な家事に、時間をゆったりかけられることで、自分がこんなに豊かな気持ちになるということを忘れていた。


薪ストーブであったかくした部屋に、計量を済ませたバターや卵を置いておき、室温に戻してなめらかにかき混ぜて砂糖や小麦粉をふるいいれ、オーブンがいい匂いをさせるのを待つ。

そのすべての時間において、すませねばならないことを抱えていない。

焼き上がった菓子を網に乗せて冷ましている時の甘やかな香り。


作ってもらった美味しいご飯をお腹いっぱい食べて、酔っ払って、ぐうぐう眠り、朝方にちょっと起きて冷たくて美味しい水をぐっと飲んで、猫たちの様子をみたり、台所の薪ストーブに薪を足したり、犬をひとなでして、暖かい布団にもういちどくるまり、ゆっくり眠る。

起きたら4匹の猫におねだりされてごはんをやり、火を起こし、湯を沸かして珈琲豆を挽く。

今日はあれをしなきゃ、と追われることもなく。


こんな幸せな日々があって良いだろうか。

岩手に来てからずっと幸せだよなと思っているけど。

ree

 
 
 

最新記事

すべて表示
よもぎ饅頭の昼下がり 後編

よもぎ饅頭はコンクリートの道に出て、でんでこでんでこ転がっていった。からりと晴れはしたものの、道路にはまだ湿り気が残っていて、よもぎ饅頭の柔らかな体もうまく傷つかずに転がってゆけた。おなかのなかのつぶあんは初めてのお外への散歩にそりゃあもうわくわくして、 「ちょっとアンタ、よもぎの生えているところはないのかね。わたし、そこまで行ってお外のよもぎに会ってみたいよ。」 と言った。 「そりゃあいい。あっ

 
 
 
よもぎ饅頭の昼下がり 前編

つまんねえよなあ、とよもぎ饅頭は和菓子屋幸福堂の店頭で毒づいた。 もうずっとずっとつまんねえんだよなあ。 昔はちいちゃな子供が目を輝かせて饅頭を買いに来たってえのになあ。今じゃおいぼれのじじいかばばあか、しゃらくせえ気取った着物のやつがエラソーに買いにくるばかりだものなあ。 とはいえよもぎ饅頭は老人のお八つになることも、茶席の菓子となることも、べつに嫌だというわけではなかった。 顎の弱った老人が、

 
 
 

コメント


Copyright © 2018 suzumeya

bottom of page