(ドコドコドコドコ)
たいこが鳴っている
おなかのなかから
見上げたくもりの夜空から
つむった目のうらの世界から
閉じられた だれかの冷蔵庫から
そのたいこは単調にただ鳴る
それを打つばちはきっと木製の
そう、ちぎれてしまうためにあるような
革は一枚も貼っていない
そっけない木製の
(ドコドコドコドコ)
こぶりなたいこは鳴りやまない
気付かないでいるだけで
いつも鳴りやまないでいる
それは小びとが叩きつづける
小隊でもって、
交代しながら、
叩きつづける
彼らの生涯は
たいこと眠りのみによって成り立つ
たいこが鳴っている
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