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紅葉

執筆者の写真: すずめや
すずめや
10 分前
読了時間: 3分

もみじの名所、香嵐渓での久しぶりの出展はちょ〜みどりで紅葉はぜんぜんしてなかった。まあそうだろうなとわかっていて、久しぶりに味わう香嵐渓の空気とクリフェスメンバーとの野外チルを目当てにいったようなもんであった。


以前はいただいたことのなかった、賄いを頂戴した。

香嵐渓には三州足助屋敷というのがあって(足助というのは香嵐渓あたりの地名)、まあまあでかめの小屋的なものが寄り集まってほんものの職人たちが手仕事をしている様をライヴで見れるという場所がある。それぞれの小屋に刃物研ぎがおり、炭焼き小屋があり、藍染めがあり、わらじ編みをしている小上がりがあり、すべての場所に観光客は自由に行き来ができる。職人たちはみんな基本的に作務衣を着ており、にわとりとでかいでかい牛までいて、時代劇の真ん中に飛び込むような場所だ。香嵐渓にはほかにも屋台で刀削麺を売っている人やさるまわしや土産物屋さんや和菓子屋さんが働いていて、香嵐渓で働くすべての希望者はこの三州足助屋敷にて昼食に賄いを食べられる。値段は言っていいものかわからないので言わないが、安価である。


三州足助屋敷では、囲炉裏のある、いちばん大きな古民家の端っこ、かまどが実際に稼働している台所の端っこを食堂として区切っている。テーブルについて賄いを食べている間もぜんぜん観光客が古民家のなかをうろうろ見物していて、こちらをちらちら見るという不思議な空間。

賄いチケットを渡すと、笑顔の食堂の人がおかずをはこんできてくれて、ごはんと味噌汁は好きな量だけ自分でよそう。テーブルに備え付けの大根の漬物二種、白菜の浅漬け。初日は大根と手羽とたまごの茶色い煮物に中華風のカニカマいり野菜小鉢、きのこと豆腐の赤だし。こういうメニューが毎日食べられる。あったかいお茶も注ぎたい放題。水分量が多い、理想の食事然とした食事。

作務衣の職人に混ざって食べるそれは背筋ののびるきちんとした暮らしを体感するようでたいへんによかった。知らん人同士で気軽におしゃべりもする。いちどなんかたぶん短期バイトで来たのであろうぴちぴちのにきびづらの高校2年生男子と食卓を共にした。なんとその日のメニューは牛丼であった。高校2年生の男子が牛丼をもりもり食べる様の爽快さときたら!

三州足助屋敷では賄いのあとは自分たちで食器を洗うが、洗い場もたいへん綺麗だった。全員の気遣いでなりたつ水場の綺麗さだった。そういえばお客さん用のお手洗いも勝手に利用していたが、汚かったことがなかった。紅葉していないぶんだけお客さんが少ないのかもしれないが、それにしても賄いを体感した身からすれば足助屋敷のあのきちんとした空気がここまで染み出していてみんなの背筋を伸ばしたんじゃないのかと思わざるを得ない。

きちんとした暮らし。香嵐渓で働くみんなは職人であり商売人であった。なんか朗らかに清潔に商売をしているかんじがよかった。わたしは販売がとても下手くそだから見習うことすらできないけれと、なんか、こう、ヘルシーに商売をやってるひとたちにたくさん接することができたのがとってもよかった。


とはいえとはいえ。山ん中のおうちに帰ったら紅葉は素晴らしく美しかった。

香嵐渓も紅葉だらけで、化粧をすればそれはきっと美しいのだろうと思うけど、まあでもやっぱ、うちがいちばん綺麗だろうな、と思った。



 
 
 

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