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念願の

執筆者の写真: すずめや
すずめや
18 分前
読了時間: 3分

大人になったからこそやってみたいことはいくつもある。

爆速する軽トラの荷台で仁王立ち、自転車の二人乗り、あつあつのナポリピザのマルゲリータの具の部分だけを食べておかわり、公園のビヨビヨ動くパンダとか馬とかの遊具に乗る、バーレスクで笑顔のおねえちゃんにお金をはさむ、夜の久屋大通公園でホルンリサイタル、いい鰻屋で白焼とキモ焼きのみを肴に飲酒、道路のまんなかに寝転がって星空を見る、古い地球儀をたくさんあつめて地球儀の部屋をつくる、自分のぶどうとりんごの樹をもち食べ放題をする、肉のついた状態から動物の骨の標本をつくる、サンジョルディの日に赤い薔薇と本をたくさん詰め込んだ車ででかけ、通行人に無差別に薔薇と本を配布する、ろうそくのあかりだけで冬の一週間を過ごす、川ででかい魚を手づかみで獲る。言い出せばキリがない。


そんな憧れのなか、燦然と輝く"サイゼリヤでのせんべろ"。それを叶える時が来た。

毎度栄での出張では徒歩圏内のホテルをとるが、ただいまの野心はカプセルホテル九時間屋の全国店舗制覇であるので名駅に帰るのだ。九時間屋最寄の出口を出るとそこにサイゼリヤがある。天啓。神よ。

コンビニのシャケおにぎりが200円を超え、1000円のラーメンをみても違和感を感じなくなった。こんな世界に誰がした。可哀想に近ごろのおにぎりは単価を下げるために海苔をひん剥かれて裸にされている。なんでこんなことになったんだ。居酒屋のせんべろセットは名ばかりで、よいところおつまみ小皿二品にビールが一杯。千円でべろべろになるという本来の意味から遠く離れている。せんべろを守らねばならぬ。サイゼリヤの100円ワインで。まあさすがにべろべろとはいかぬだろうがべろくらいにはならねばならぬ。せんべろという尊き言葉を守るため。この一週間はそういうたたかいなのだ。わたくしはせんべろを守る。


長期の出張なのだから食事の栄養バランスには気を配らねばならぬ。晩酌のみではなくきちんと食事と飲酒を両立させねばならぬ。酒を呑むために昼ごはんの時間をあとにずらすようなことをしないように気をつけなければならない。


名駅のサイゼリヤはさすがに若者が溢れかえっておりほとんど満席だ。名古屋は良質なギャルの産地であるがギャルギャルしいギャルたちというよりはやはり高校生くらいのより若年層が目立つ。喧騒。若者は騒ぐものだ。逆に栄養。ありがとう。おばちゃん、おじゃまします。


初日の本日はイカの墨入りセピアソース、ほうれん草のソテー、グラスワイン。この時点で税込800円。追加でデキャンタの小200円。あわせてワインは370ml、おなかいっぱいでたっぷりワインが3杯呑めて、ぴったり1000円!

これは愉快だ。サイゼリヤでは300円でたらふくワインが呑めるというわけだ。のこりの700円でメニューを構成するのだ。憧れのサイゼリヤでせんべろは思ったよりもずいぶん楽しい。やるぞ。わたくしは連日通うぞ。サイゼリヤでせんべろを磨くのだ。


 
 
 

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