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幻のドラゴン

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2018年10月3日
  • 読了時間: 2分

うすうす、気づいてはいたのです。

わたしは製本、独学で、

トライアンドエラーを繰り返して身につけました。

製本の本はもちろん、本を作っている誰かのブログを

何ヶ月も何年も遡ってヒントをもらって手を動かして失敗して

指もたくさん切ったし、結局かたちに昇華できなかったもの、

紙に申し訳のないこともたくさんして、それでも製本、で身につけました。

資料も少ないし、先生もいない。

お金がないから遠くまで習いにも行けない。それでも、って。


趣味のレベルで、製本をやっているひと、手製本をやっているひと、

3000人にひとり、くらいなんですって。


おかしいと思った、さみしいと思った、

はじめて10年、あのアパートの片隅で、紙をただ切っていたころとは

段違いに世界は広がっているはずなのに、会えない、少ない。

このあいだの東京出張で、製本のひとたちにたくさん会えた!いるんだ!

と、そう思っていましたが、どうもあれは奇跡だったみたい。

数の少ない人たちが、わたしが発信したことで集まってくれていたみたい。

(ほんとに宇宙くじらの話みたいだ)


京都大丸、また日本のものあわせさんの企画で、

一週間作り手さんたちと過ごして、仲良くなって、帰りは車で送っていただいて、

荷物を降ろして、たくさんのかたにお会いできたこの濃い一週間を思い返して、

3000人にひとり、が蘇ってきてひとりで泣きました。

泣き疲れて寝て起きて、珈琲をたてて、差し入れってもらった甘いお団子を食べて、

お店の整理してて、また泣いて珈琲飲んで。

一週間以上お店を閉めていたから、優しいあの子が作ってくれた、

春先、鳥のさえずり、小さな花の開花を思わせるような軽やかな珈琲を。


こんなふうに、製本のことで、寂しくって泣いちゃうひとを

できるだけ少なくしたいなあ。

こんな悲しい気持ちは、できるだけ軽い方がいいなあ。

ひとりは好きなほうだけど、さすがに10年も、は、ちょっと重たすぎるなあ。


わたしは発信していこう。

やってるよ、ここにいるよ、わたしも製本すきなんだ。

あんまり性には合わないけど、お外に出るよ。

いろんなところに飛んで行って、仲間に会いたいな。

あんまり性には合わないけど、いっぱいのひとに

わたしから製本のこと伝えられるようにがんばるよ。


ちょっとくらい無理してもいいや。

いつかこれを読む、製本に惹かれたあなたの寂しさが

できるだけ、軽くなりますように。


 
 
 

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