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てくてく

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2019年8月12日
  • 読了時間: 1分

あるくあるく


道ばたのでっぱりのうえを

バランス不恰好にとりながら

ここから落ちたらウツボの海だよ

ちいちゃな牙でたべられます。


たっぷりおかねをつかいながら

まいにち削って手にしたその糧をつかいながら

おさいふぱっくり口があく

こうこう、明るい電気のしたで

突貫工事の床のうえ


わたしはてくてく歩きます

そちらはみないよ

おつきさまみるのに忙しい

かったいかたい河原を踏むんだ

足首まで固定するサンダルがすすめと言う


月があかるく街灯もひかる

河の水面にうつります

たくさんの恋人がはしゃいでいるよ

わたしはてくてく歩きます


こうもりがふしぎに舞う

みみもとではりきって歌う彼女と


ずいぶん涼しくなった夏の夜

暦の上ではもう季節が変わったそうです

川も流れる

風も流れる

じかんもともに

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