べたつくあの甘味
こどもを殺すほどの栄養価
きんいろのみつ
可憐な儚い花々を
有機的な曲線と針を持つ
あの昆虫が
襲っているような絵面で
集めているんだと
かの女らが秘密に溜めた蜜を
かの女らはみな
心から うんと うなづいたろうか
ぼくがそう思いたくないのだろうか
かの女らが まだ かおる
ただ花でなかった頃には
出会えなかったろう
さまざまな のみものや果実や木の実や
会えてよかったと感じてくれるのだろうか
動物の肉や野菜や香辛料に
そのあと
無遠慮な石と粘膜の化物が
かの女らの蜜と、それらを摂取しようと
襲ってくるとしても
それでも かの女らが まだ かおる
抱いていたころにふくませたのだ
「わたしのほんとのうつくしさ
ひみつにおしえてあげる」
秘密の蜜にいいふくめたのだ
そしてわたしはそれをふくむ
くりかえし、ふくむ

Comments