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  • 執筆者の写真すずめや

たのしき博多

博多について四日め。


気候が温暖で触れる人みな温暖であります。

こちらでは歩道でむこうにゆく人とこちらにくる人の波がきっちり分かれており秩序の街。

かつ、Googleマップを手にくるくる回っているわたしをみかねてさらっとどちらに行かれるんですかと助けてくれる優しい街。

(道には3回迷ったがすべて通りがかりの人が即座にスマートに導いてくださった)

接する方々は明るい子犬のようで、発する言葉に影も棘も癖もなくひだまりのかおり。


今回の出展は大好きな団体、クリエーターズネットのみんなと一緒。

ここの作家はみんな聡く朗らかで力の抜けた、可愛いひとたち。

ほとんど全員が年上の先輩だからわたしだってふにゃふにゃでいてよい。

きのうはみんなでばんごはんにいって、博多の美味しいゴマサバだとかぬか炊き、明太子たまごなどに舌鼓をうって、だいたい話題は老眼とか出張先のあそこのこれがうまいとか他愛もない生活の話で、そういうことをきゃっきゃと笑って楽しんで、おしまいに白いごはんをもりもり食べるみなさんを肴に日本酒を呑んだ。

なんと平和。

そしてとても、社会的暮らしだ。

みんな営みをもっている。


悲しみに暮れているときはひとりになる。

マリがいなくなって、ここのところは小さな深い池のなかに潜り込んでたまに水面に顔を出すというようなきもちで過ごしていたのだけれど、岸にはたしかにあかりがあって、池の中にいた時間もそこでだれかが明るく笑っていた。

知っているけど見なくなる。

ちゃんとあるなとまた見つけて、大きく息を吸うようなきもち。

たくさん美味しいものを食べて、それをちゃんと噛んで飲んで、ひなたにあがってふかふかに乾かしたい。

わたしには池の底の色が沁みこんだ。

それもいつかそういうお洋服として着こなせるようになるだろう。

この出張はスケジュールをかなり無理して組み込んだけれど、組んだわたしはいまのわたしがこういうことになってるなんて知らなかったんだけれど、でもこのひだまりの国にいま来られて本当によかった。


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