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  • 執筆者の写真すずめや

立ち位置

5月。


SNSは基本的に作家仲間の様子を楽しみにみている。

みんなクラフトフェアやイベント出展で忙しそうにしている時期だ。


いいな〜クラフトフェア。

いいな〜。

クラフトフェア出たいな〜。


とはいえわたしは製本家なので基本的に野外で行われるクラフトフェアにはたいへんな準備が必要になる。

まず車を運転できるようにならなきゃならないし、クラフトフェアは送付ができないとこが多いので、荷物が積めるでっかい車が必要だ。

雨はもちろん風やそれに付随する砂ぼこりも天敵。

装身具や陶器のようにはたいて磨いたら大丈夫というものでもない。

屋根付きテント、脇からの雨風をしのぐなにか、机も要るし、クラフトフェアというのはブースの世界を作り込むことができる場所なので応急のなにかですませるのはもったいない。

となると色々作りたい。

ああ〜、遠い道のり。


応募して落選もざらにある世界だと聞く。

実際いちど応募してみたけど資料もかなり準備が要るし落選したときの落胆ときたらなかった。

いまはこんなに準備がないのに受からなくてよかったとも思っているけれど、クラフトフェアというのは工芸の場所であることが多いのでわたしのようにクラフトと言い切れるようなものでないのを作っている人間は、審査側から見たってなかなか立ち位置がわからない。


クラフトフェアいいな〜。

せめて近場にあるやつは足を運びたいものだな〜。

とも思うけどなんだかんだスケジュールがあわずいけずじまい。

こんなにたくさん出張にいってたらそらそうなるよな。


いちど森道市場に作家仲間が出ているので遊びに行った。

音楽フェスとしても有名だけれど物販のブースも充実していて、作家ものもたくさんあるのだ。

海の近くのイベントで、潮騒、太陽、音楽、おしゃれをしてめいっぱい楽しむぞという態度の人々の波、あれは素敵な場所だった。

野原のひらけた場所では移動販売の本屋さんのバスもあった。

床から作り込んで簡易な小屋みたいにして雑貨や本を売っている古道具屋さんもいた。

こういうふうに外に出てみたいなあと思った。

憧れの場所はいくつもある。


ギャラリーで個展はどう、とも仲間からご助言いただくけれど、作家としては単価が低いのでそれにはかなりの度胸がいる。

あと自信もない、なんか、だって、キラキラじゃんかギャラリーって、背筋を伸ばしてこちらはですねってかんじじゃない?いやこれは偏見だって自分自身もわかってる。


はーなにをもやもや吐き出しているのか。

それは出張前で色々準備が立ち行かなくなってきているので目の前のものから逃亡するためたまっているなんかを吐き出しているのだ。

開けた窓からちいちゃい蜂が入ってきてしまった。

猫たちがたたかおうとしている。

文章をかくのをやめて日常にもどる。



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どえらいいきおいで飛び回っているこのごろ。 京都では懐かしい友人に会い、お客さまの元気な顔も見られ、スタッフさんとも朗らか爛漫、というたいへんホーム感にあふれた日々だった。 奈良ではエプロンの展示がメインとのこともあって、先輩方の胸をお借りして初めましてのお客さまに出会い、インスタレーションというおしゃれなやつをやり、あと販売の声かけもやっぱりわたしとはぜんぜん違って大変勉強になった。 作品を売っ

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