猫たち。
先住猫のマリは今年15歳になるおばあちゃん。
長毛種でおとなしい。
おとなしいというか基本的に山のよう。
でんとすわっていることが多く、わかりやすい甘えかたもせず、上下運動はかなり少ない。
歩き方もぽてぽてとしており動きはイメージとしてのたぬきに近い。
生まれてすぐうちの子になって、蝶よ花よと箱入りに育てたため恐怖心がなく、女王様であり、多分自分のことは人間もしくは人間よりえらいなにかだと思っている。
新入り猫のミリはまだ一歳にもみたない元気な猫。
ぬいぐるみや置物をおもちゃにし、すごいスピードでかけまわり、すきあらばいたずらしようと構えている。
そしてわかりやすい甘えん坊。
遠くから大きな甘え声で呼びつけるし、そばに寝転ぶとすりすりして踏みつけて歩き回って落ち着きがない。
上下に動けるので膝の上にもぴょんと乗る。
出張から帰って火鉢をつけたら灰の中に排泄していたらしく異常な匂いが炭の熾火とともに部屋に充満してまいった。
(灰の消臭効果で炭を置く前は気づかなかった)
はじめはびびっておとなしかったミリもずいぶん慣れて、甘えん坊なのでマリに果敢に近寄っていく。
しかしマリは女王様なので新入りに対して厳しい。
それでもずいぶんふたりの距離は近くなったけれど、さっきはマリがミリに爪を立ててしまってかわいそうだった。
それでもめげないミリ。
マリは鈍感なところがあるのでわりと近くに来られても、たとえば背後からだと気づかなかったりする。
ミリは野原の生まれなので足音も気配もなく近づくことができるのだ。
気づいたらすぐそばにいる新入り!
許さぬ!怒り!
といった塩梅でワンテンポ遅れて怒っている。
マリとミリの部屋はわかれていて、マリの主なナワバリは寝室。
時間も経ったしそろそろ…と思って4人で寝ることを企んでいるけどなかなかうまくいかない。
ミリがうまくカーペットとかにもぐってじっとしているとマリはミリのことを忘れていつも通りのマリになるけど昨日はわたしのそばで寝転んだミリを鬼のような表情で睨みつけていた。
マリの眉間には皺のような模様がはいっていて睨むと本当に恐ろしい顔になる。
一晩一緒にはおれない。
けどミリがマリを好いているようだし、わたしはマリの落ち着いていてでんとかまえているところが大好きなのでいつかマリがミリに対してもでんとかまえるようにならないかと注視している。
正直マリはプライドの問題で怒っているふりをしているだけで実はまんざらでもないんじゃないかと思う瞬間もあるのだ。
一晩ひとりだったミリは朝になって自分の部屋を開けてもらうと一目散にマリの様子を見にいく。
起きてストーブをつけて、部屋があったまるまではわたしもふたりのそばにいて関係が悪化しないよう見守る。
今もミリは距離を置きつつすきあらば近づこうとマリをみている。
じゃれているのか戦いなのか微妙にわからない線でふたりは今日も触れ合っている。

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