毎回ではないのだけども、夢の中にある固定の場所やひとがでてくることがあります。
場所はもう地図かけるくらいのとこもある、でもだいたい、年齢をかさねると違う場所に行きます。
最近、そう今年になって出てくるようになったおとこのひと。
黄土色と黒の混じった、ちぢれた毛のVネックのセーターを着ていて、
頬から腰までしか覚えられない。
顔が見えていたことを、起きたら思い出せないのです。
わたしの頬に両手をあてがって、優しくでも、絶対、ってかんじでわたしを引き寄せて、だいたいこめかみのあたりからケーキみたいに食べられる。
安価なおやつの、三角のチョコレートケーキがあるでしょう。
硬いスポンジに、うすくチョコレートのかかった一口大の。
そのひとに食べられているわたしはそんな食感です。
なんとなく食感や味がわたしにも伝わるのです。
ぼんやりした味だけど、目玉を歯でつぶすときはすこし苦味が。
腰骨のあたりは、麩菓子のちょっとかたいのくらいの黒糖みたいな味。
咀嚼はほとんどなくって、はぐはぐ、猛然と食べられるんです。
そのときわたしはケーキだから、痛みはない。
全部を食べられるわけではなくて、こめかみから顔半分、肩まで行ったらつぎは反対側の肋骨から。
文字に起こすとホラーなんですけど、なんか、ほんとに大事な恋人みたいな、生まれたての娘をさわるとき、みたいな、悠々とした愛を感じる触り方でわたしを食べるので、あんまりこわいと思わない。むしろそのときはそれが相手との自然な関係であるようにも感じられるくらい。
なんなんでしょうね、へんなゆめ。
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