top of page

令和の抱負

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2019年5月7日
  • 読了時間: 2分

Instagramでもちょっと触れたのですが。


「ロマンチックで食べていく」

です。


わたしはこれから物語の始まる本を綴じている、製本家です。

ということで。

作るものが小さいことでご不便をおかけしたり、ハードカバーは開きづらいとか、無線綴じはどうか、とか、すべて作り続けて噛みしめました。

いま作っているかたち、プロダクトとしての問題点はあることをふまえてそれでもこのかたちでやっていきます。

なぜならわたしのロマンチックはそこにないから。


小口を手で化粧裁ちするのも、

あなたの敏感な指先が一番触れる部分にわたしの手仕事を残したいから。

小さめのサイズ感なのは、

ちいさくて、いつもそばにいて、さえずっているすずめのようなものづくりをしたいから。

ハードカバーが主たる理由は、

これから物語の始まる本にはしっかりした扉がふさわしいと思うから。

無線綴じがメインなのは、

糸で綴じるよりもその存在がより軽やかであると感じるから。

サンレイド(本文用紙のなまえ)を主に使うのは、便箋に使われることの方が多い紙だから。

いつかのあなたに描く、手紙を綴じているのです。


はーーロマンチック。

恥ずかしくて言えないようなウエットは、これから丸出しにしていきたいです。

いっぱいもがいたけどわたしは製本家で、絵描きで、詩人だから、うたうんだ。

イメージやポエジーのなかで生きていて、現実世界でも、それでどうにかやっていきたいです。

ree

 
 
 

最新記事

すべて表示
蕎麦屋のあかり

鴨南蛮のあぶらはつゆの上でみんなで手を取り合ってひとつのまんまるのあぶらになると、まんまるのままどんぶりから浮かんでゆき、蕎麦屋の天井であかりになるのだ。 鴨南蛮のあぶらたちはみんなそれを知っていて、真っ暗な胃の中に流し込まれるよりも、いつか天井で店じゅうを照らしながら蕎麦屋のお客を眺めていたいと思っているのだ。 次にやってくる新しい鴨南蛮を、仲間になるあかりを、今か今かとわくわくしながら待ち続け

 
 
 

コメント


Copyright © 2018 suzumeya

bottom of page