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蜻蛉

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2024年11月3日
  • 読了時間: 1分

明るく晴れた秋の日にぬげたと散歩に出る。

ついでに表紙のために葉っぱをとる。

いつもは好きにいいかんじの葉っぱを拾っているが、今回は和菓子屋さんからのオーダーが重なっているので楓や銀杏、なんとなく和風のかんじの葉っぱを集めて歩いた。


途中ぬげたとふざけて駆け足になったところだと思う。

葉っぱを集めたビニール袋を振り回して走ったからだ。

気づいた時にはせっかく集めた葉っぱたちはほとんどなくなっていた。


ああちくしょう、と悪態をつき、手元のビニール袋を覗き込んでいた顔を上げると、秋の薄い陽光の中を、小さなトンボが、5、6匹群れになって飛んでいた。

羽が光に反射して白銀にちらちらとひかり、きっと妖精とはこんなふうに飛ぶのだろうなと思わず感じいった。

しかし考えてみれば、トンボこそが妖精なのかもしれない。

光の中を踊るトンボたちがあまりに美しく、まるでこの世のものでないと感じただれかが、妖精といういきものを作り出したのかもしれない。


妖精に会ったわたしの、悪態をついた気持ちはあっというまにしぼんで、またまじめにやるぞとぬげたを片手に葉っぱ集めに歩き出した。



 
 
 

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