出た
- すずめや
- 3月20日
- 読了時間: 3分
ブログ本が出た。
出たっつうか自分でまとめて印刷所にお願いをしたのやから出したということになるわけだが、
だがそれでも出た、というかんじがつよい。
そもそもわたしから出てくる文章って切った爪とか落ちた髪の毛がひとりでに動いているみたいなかんじのものなので出た、という感想になる。
Wordをいじっているときは、この稚拙で陶酔的な文章に対して、薄目をぼんやりあけてピントが合わないようにまとめていく、というかんじだった。現実から目を背けることができた。
だけど印刷されて本になった途端に薄目がきかない。
我は文章!って主張が印刷によってこんなにも強くなるものか。
ブログ本のためにいろんな印刷所を比較検討していたところ、そもそも印刷所というのは思っていたよりも身近で安価で使いやすいものだとわかった。
それで、ノートに巻いてる帯も、ちょうどストックの紙が切れたので印刷所に頼んでいくことにした。
印刷所に出すにあたってちょっとはブラッシュアップしたけれど、まあでも同じような帯、だけどプリンタでガタガタ出てきたそれと、印刷所から恭しく黒猫に乗ってやってきたそれは格が違うかんじがする。
そりゃプロの仕事だし綺麗に刷られているというのはあるんだけど、あるんだろうけどそれにしても違う。
産業革命だこれは。
活版印刷を始めて目の当たりにした博士たちはこういうかんじの感動を味わったのかもしれない。
手作業で製本をしていて、し続けていて、ある程度グラフィック系のソフトも触れるので、デザインの仕事のことはなんとなくわかっているような気がしていたし、出会うデザイナーさんたちと仕事の話なんかうんうんうなづいて聞けていたけれど、頭でなくようやく体感でわかった。
そして同時に印刷出版と手製本が根本的に全く違うんだというのもよくわかった。
手製本のことはずっと知っているけど印刷出版のことはわかった気でいただけだった。
新しく知見が広がってゆく気持ちよさ。
少なくともあと6年ぶん、6冊ぶんの原稿はあるので引き続きまとめて出していこうと思う。
何冊も出せば、もっといろいろわかるだろう。
あとブログまとめじゃなくて文章の仕事をやってみたいなという気持ちが強くなった。
文章の仕事をやってみたいなの気持ちは古くを辿ればたぶん小学生くらいのころからうっすら持っていたものだが、なんかこれきっかけにちょっと芽が出た。
文章の仕事とはどう探したらいいものだろう。
うまいこと機会が転がり込んでこないものだろうか。
手製本は絶対的生活主軸なのでそれはそれとして、ってできるくらいいい感じの量の仕事が。
虫のいい甘いことを言っている。
届いたばかりのブログ本を見たときには恥ずかしさのあまりこのままストーブにまるごとくべて焼いてやろうかと半分本気で思ったけれど、たぶんテンションあがってんだろうな。

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