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  • 執筆者の写真すずめや

働き蟻

あったかだった冬だけど近ごろは冬らしくなって雪もがんがん降る。

おとといの夜は雨が降ってそのあと大雪になったので雪がびちゃびちゃに重たくなって雪かきがほんとうに大変だった。

そもそもここいらは粉雪なのでいつもふかふか、だからこそ雪国初心者の我々でも広い庭をもちながらなんとかなっているのだけど今回はくたびれた。

着雪注意報というのをみかけた。

雪が電線にくっついたりして危険だよという注意報らしい。


はじめ電線から落ちた雪の跡を見たときはすごく不思議だった。

雪の跡といえばけもののあしあと、有機的に積もった雪に直線の窪んだ跡がぽんとあるのはなにごとだろうかと。

ここいらではリスかうさぎがスキーをするのかと思った。

なんのことはなし、足元でなく空を眺めたら風に揺れる電線、そこに積もった雪がぱらぱら落ちて直線模様を作るのだ。

気づいたときにはなんだあ、と思った。

リスとうさぎのスキー説がなくなったのでちょっと寂しかった。


雪かきで雪を運ぶのはどうしたってやまもりの砂糖を運んでいる働き蟻のよう。

雪は運んでもなくならないので道路向かいの畑にほうる。

去年は庭の中でどうにかしようとしてものすごくでかい雪山がそこいらじゅうにできてにっちもさっちもいかなくなってしまっていたが少し賢くなった。

砂糖をためこむ蟻の性質。

溜め込んだ砂糖は太陽が溶かして土に溶けて巡り巡って我々の食べ物になる。


はじめ流々と流れる川をみていたときはこれも不思議だった。

山に降った雨が湧いて川になる、やがてそれが海にゆく、というのは知識として知っていたけれど、それにしてもここらの川はじゃぶじゃぶ流れて川底まで見通せる澄んだ川、こんなにじゃぶじゃぶ流れるほど雨は降ったろうか?とわからないきもちだった。

でも雨が姿を変えて雪になると質量がうまれて、どかんどかんとやまもりになっていく雪山をみているとまあ確かに雨や雪がこのたくさんの水の流れを作っていても不思議じゃないかあと思うようになった。

川で魚釣りをしたいけどこの辺の山には山ビルという大変恐ろしい吸血虫が出る。

泉鏡花の小説にでてきたようなでっかい集合体ではないけれどそれにしても音も気配もなく近寄ってこられて血を吸われるのは恐ろしいことだ。

集落のひとたちも山ビルを恐れている。

やんた、といって嫌がる。

やんたというのは方言でやだわあ、くらいの感じみたいだけどマイナスの言葉が可愛いっていいよなあと思う。


犬のぬげたのおさんぽに朝イチででる、

うちは東西を山に囲まれているので、日の出も夕焼けも直接みることはできない。

なのでぼんやりしらんでゆく景色を眺めていると、ああ、いまは朝だろうか夕方だろうか、とわからなくなるときがある。

さっき起きたから朝なのだとわかるけれど、さっき起きたのでなかったらこの光が朝のものか夕方のものか、もしかしたらわからなくなるかもしれない。

雪景色にはそういうちからがある。

あたりいちめんがまっさらになっているので、ここがどこだか、いつなんだか、わからなくなる。


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