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蜘蛛工物

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 2021年7月29日
  • 読了時間: 2分

アルバイト先のスーパーがオーガニック なところで、ワクチンは人工的で自然じゃないので打つ気がない、体に入れたくない、という人がいました。

言わんとすることはよくわかるし、わたしも普段は添加物を避けたりしている。

でもなんか、む?とひっかかりがあり、そいで考えていた。

蜘蛛の巣は自然で、人間のビルは人工物で自然じゃない。

自然じゃないのかしら。

動物としてお互いを見てみたら、ビルは自然じゃないかしら。

つばめや蟻なんかになると、自分の唾液と土とを混ぜ、巣を作る。

加工、というようなことをしている。

工程の複雑さは段違いとしても、同じことをしていると、言えなくはないのでないかしら。


草食動物でも疫病で死んだ仲間の体を食べて、免疫を手に入れることがあるという。

お魚の世界にもいじめというのがあるのだという。

子孫繁栄を目的とせず、快楽のために交尾する猿がいるという。

自然なもの、自然じゃないもの。

政治的なこととか、思惑とか、思い込みとか、思想のたぐいを剥いでいけば、ぜんぶ自然ということになるのでないかしら。


こう考えがいきついて、するとこの、なんとなしに頼っている、定義というものの脆弱さに気づいてふと身震い。

仮定からの実験、証明、それがずっと続いているだけで、いつまでも仮定の中なのかしら。

言い換えれば陳腐な気もしますけれども、自分次第の世界ということになりますが、わあこれは、考えつづけなくちゃならないわけだ。考えるのをやめられないわけだ。考えることが面白いわけだ。


何周かして、いや周らなくっても、行き着いた場所がおんなじでも、ちがうもんだな。


 
 
 

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