三連休中日の夕方、
急にうちじゅうの水が出なくなった。
どえらいことである。
ふたりとも未だにこのうちの水道の仕組みを完全にわかっていなかったため、集落のみなさんに電話をかけたりちょうどやってきたヤマト運輸のドライバーさんに断水の情報はないかと聞いたり大変に焦った。
そのうちにうちの水は元井戸のなかにある井戸ポンプから水を汲み上げて使っているのだということがくっきりわかり(聞いてはいたけれど聞くのも初めての仕組みだったため完全に理解はできていなかった)、家のそばのでっかいコンクリートの丸い蓋をどかしてポンプを確認した。
機械が腰まで水に浸かっているぞ。
これはだめなやつだ。
さすが元井戸、ここのところの集中的な大雨によって井戸は水の湧き出す場所だったのだというのを思い出したらしく、かきだしてもかきだしても水位が戻る。
なんか底から水が湧いてるのもぼんやり視認できる。
その日の夜に、三連休でお出かけ中だった集落の水道屋のおにいさんが駆けつけてくれ、これは水が入りすぎててだめかもわからんと最終診療をくだしてくださった。
もともとこの家は山からの水が湧いてくる家なんだそうで、家じゅうの床がぬけているのもその湿気のせいなんだそうだ。
ということで断水生活のスタートである。
二日間のお風呂抜きである。
涼しい場所で本当によかった。
備蓄がなければおおわらわであっただろうけども、たまたまマラソン大会のボランティアでもらった水のペットボトルがしぬほどあった。
おかげでのりきることができた。
備蓄はマジ大事、よくわかった。
刷毛を洗うことができないため、
絵付けと糊付けの仕事はできない。
行商一週間前としてはかなりのタイムロスである。
恐ろしいこと。
まあでもできることは山ほどあるのでひたすら仕事はしていた。
しかし連休明けのアポはリスケとなった。
初めてお伺いする場所だったのにこんな冗談みたいなタイミングでだめになるとは。
そいで思い出した。
ここにくる前、はじめて2人でこのうちを見にくるために休みをもぎ取り意気揚々と空港から滞在先のホテルに向かう途中で事故にあった。
乗っていたレンタカーが廃車になるほどのでっかいもらい事故だったのだが、ヨボヨボの身体ながらなんとか内覧はでき、2人でここに住もうと決められた。
帰る日の朝にわたしが食あたりになり1日伸びたのおまけつき。
滞在中に2度も救急車に乗った。
しかし2週間もしたら、2人ともからだはぴんぴんしていたのだった。
事故にあったときはかなりびびったのだけど、でもなんか不思議といやなかんじはなくて、色んな友人にこんなことがあってさと話すうちに、なんかきっと神さまがはしゃいで力加減間違えちゃったんじゃない、ということにおちついた。
この災難もそうであれと思う。
というかそうであると思う。
そういうことにしようと思う。
たまたま水がたくさんあって大丈夫だったのだし、アポ先のかたも事情を理解してくださったし、水道屋のおにいさんは我々の貧乏を見抜いてできるだけお金のかからんようにすると言ってくださった。
わたしはお金がたくさんできたらいっぱい水道工事を頼もうと思う。
そこらじゅうに蛇口をつけてやる。
2日ぶりのうちのお風呂は最高にきもちがいい。
今日は2度も入るのだ。
おてても洗いまくるし井戸水でソーダを作って酒を呑もう。
ああほんと、やれやれ、幸せ。
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