がんばれ
- すずめや
- 4月14日
- 読了時間: 3分
実はここしばらくけっこうしっかりめに腐っていた。
幼少期に自己肯定感が育たなかったため、腐りはじめるとしつこくぐずぐずする。
そういう自覚があったのでごまかしごまかしやってはいたが現実的にどうにもならないことも多く腐りながらも毎日仕事はがんばっていた。
やりたくてやっている幸せな仕事が、こうなると強迫観念にすり替わって追ってくる。
今日は次の名古屋での催事に持って行くブログ本まとめの締め切り日だったので、朝から6年前の自分の日記をひたすら追いかけてまとめなおしていた。
2019年の自分。
こいつがまあなんとも異常で、まとめてもまとめても終わらない。
文章量が多い。
基本的にはコピーアンドペーストの作業だというのに朝からパソコンにかじりついて夕方になってようやくまとめ上がったと思ったら600ページにもなった。
印刷屋さんの無線綴じ製本上限は500ページだというので100ページけずった。
で、500ページで見積もりをとったら2018年のブログ本の倍以上の見積もりが出てしまった。
こんな価格差はダメだろと思って300ページ以下にまとめなおす。
2018年よりすこしだけ値段が上がるが倍の価格になるよりいいだろうという塩梅がそのくらい。
都合3回分も、2019年の日記を見直したというわけだ。
もうすっかりあのときの自分の感覚に浸ってしまった。
思い出せない人も、出来事も、たくさんそのなかにはあった。
いま持っていなくて理解できない考え方もしていた。
あのときのわたしは果実酒の中で脱皮をしているような状態だった。
甘く酔い、生まれ変わっている。
この子ずいぶん健気だな、とひとごとのように感じた。
本当にこんなわたしだったか、とひとごとのように感じた。
こんなふうにがんばったのに、いまみたいに腐ってるのは馬鹿のやることだな、と冷静に思った。
腐りはじめるとぐずぐずするたちなので、
まあそんなすぐには変わらないだろうとは思うんだけど、
とりあえず腐敗を止めよう、と素直に思った。
ちゃんと、前向いてがんばろう、せめて。
書き残すものを作り続けた。
もしかしたらわたしが作ったノートに書き残した誰かにもこういうことが起こったかもしれない。
いい仕事じゃないか、と思った。
腐っているときにはその思考もぐずぐずにされる。
なにかのどろどろを、昔の自分に洗い流してもらった。
いまもむかしも、自分を愛するというのは言葉よりずっと難しいことだけれど、なかなかできないことだけれど、いつかの自分が他者のように立ち現れてこんなふうに救ってくれることがあるとは、夢にも思っていなかった。

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