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おでかけ

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

今日はたいへん珍しく、生活に必要のないおでかけをした。

お店屋さんめぐりである。


先日の東京出張で、ふしぎなことに盛岡のお店に詳しいお客様に会うことができ、岩手で販路を探すならこのお店がおすすめですよ、的なお店屋さんをいろいろ教えていただき、のこのこと出かけた次第。

あと二ヶ月で岩手に越してから四年となるというのに岩手でほとんど販売の機会をもてずにいる。

いっぱい出張いってるしいいじゃないですかと言われもするけれど、でもここが好きだからここで糧を得ることができればなんだか土地に認めてもらえた感というのが手に入る気がしてそわそわし続けていたのだった。

そわそわし続けていたわりに特に行動を起こすこともなかった。


行動を起こさなかった一番の要因は出不精。更に出不精に磨きをかけるように我が家の居心地がいいこと。普段の糧を得る主な手段が出張販売であるために、家にいるうちはとにかく作らなきゃ!という理由づけもあり、出張しているうちはみんなに会えないんだからできるだけここにいたいという気持ちもあり。

次いではどこにいけばいいのかが全くわからなかったことであった。

親類も友達も土地勘もないのに急に集落に越してきて、またこの集落と家が居心地良いものだからうちにいるうちはわーなんかしあわせ〜とぽやぽやしていて三年が過ぎた。

でもこないだ岩手日報と岩手のテレビと相次いでなぜか取材をしていただき、そうだよな、送料も交通費も宿泊費もかけてよそにいっているけれど、こんなにいい暮らしをさせてもらっている岩手でぜんぜん販路を作れてないって不自然だよな、と染みて思っていたところだった。


以前に街歩きをしたのは引っ越す前、住む家を決めにやってきたときだった。

そのときは宿に到着する前にもらい事故でレンタカーが大破し、救急車でふたりとも運ばれ、命に別状ないものの全身打撲で思うようにうろつける状態ではなかった。

よろよろと、せめて土地の楽しみがありそうな市に立ち寄ったところ、次の日の朝にその市でかったおかずのあまりものを食べて当たってしまって救急車にまた乗った。

その後クラフトフェアに行ってみたり、ケーキ屋さんに行ってみようとしてみたりはしたけれど、基本的に目的はひとつでほかにぶらついたりはしてなかった。


今回はぶらつきであった。

目的が最低三つもあったのだ。

最終的におみせを四軒もはしごし、これは立派な街歩きであった。

四軒中、三軒は当初の目的通り営業的なことができたと思う。

しかし初めてのお店にいって、わたくしこれこれこういうもので、よければお見知り置きを、なんて営業をかけるなんて何年振りだか。

もう脇から手のひらから、営業の言葉を唇から滑らせる前からじっとりと臭そうな汗をかいた。

それでもそのおかげでお見知り置きをしていただいたお店が岩手にできたということになろう。

はーたいへんな心労であった。

こんな程度のことを心労と言う。

いま昔のブログをまたまとめているところだが、そのころのことを思うとこんなことは心労でもなんでもない。

やはりいまのくらしはずいぶんと甘い生活であるようだ。

 
 
 

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