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執筆者の写真すずめや

粛々とモード

やることがあまりにもあり、一瞬のイヤイヤ期を経て、粛々とこなすしかないのだモードを取り戻した。

全てはやることでしか終わらないのだ、そういうことだ。


仕事においてイヤイヤ期がくるのはとてもめずらしい。

が、当初の当て込みよりも冬休みがずいぶん先延ばしになってしまったことが今更じわじわと効いてきていたのだ。

冬に入った仕事はどれも楽しみな仕事であるにもかかわらずだ。


イヤイヤ期といえど大黒柱にしては頼りない稼ぎであるというのもあってすべてほうりだして何も気にせず眠るみたいなことはどうしてもできない。

普段なら息をするようにしている作業が、仕事なんだからやらなきゃという気持ちに追われるというかんじ。

生きなきゃいけないんだから息をしなきゃ、と考えたとたんに無意識にしていた呼吸がぐっと息苦しくなる。


しかし粛々モードに入った。

すべてのやらなければならないことを整理し段取りしていき、ちょこっとの面倒だって気持ちを無視して進む。

やりきっていかねばならない。

製本もメールの返事もSNSも画像の準備も送り込み日時と数量の確認も価格改定の準備もパネルも染めも掃除もぬげたの散歩も猫の餌やりも薪運びもする。

昭和あたりに想像されていたロボットのようなうごきである。


そしてわたしが粛々と動くモードになったというのに夫はのんべんだらりモードになったようだ。

こういうモードがふたりとも息が合えばいいのに、さっきも仕事の片付けに筆を洗いに台所入ったらほかほかのお風呂あがりでモコモコのパジャマを着てケータイゲームをしながらお酒を呑んでいた。

そのお酒のラベルにはシマウマがついているので、みんなのごはんもまだなのにゲームしてシマウマのお酒を呑むなんて!と糾弾したところシマウマのお酒なんてこの世にないおかしいことを言うそれにゲームもしてないとあからさまに嘘をついてにやにやしていた。

夫はわかりきった嘘をつくのが好きだ。

まあのんびりしたい気持ちなら好きなだけそうするといい。

そのかわりおいしいごはんと洗濯ものの片付けと台所のおそうじをしてくれたらいい。

聞いてるか、夫。



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