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執筆者の写真すずめや

星を食べる場所

音楽の聴き方って(まあなんにつけても)一曲ずつ、千差万別だと思うんですけど

日本語だとやっぱ、言葉から連なる世界観の構築、みたいなところがぐっとくるわたしです。


そんなぐっとくる曲たちのなかでも強烈なぐっとくる、が多い、たま、というバンドのうたで、"星を食べる"というのがあります。

そんな風景があるんだよ〜って話。


うちからてくてく歩いて歩道橋をわたると、よく磨いた石がごろごろしている、化石の取れそうな河原があって、その河原はとても川の水面に近いんです。

わたしはその河原に寝そべるのがとても好き。


頭を川のほうに向けて夜空を眺めると、頭の上から川の流れる音が降ってきて、振動がからだをじわじわ揺すぶって、星空が綺麗に(比較的)見えるんです。

暮らしていれば、そのときどき、いろんな自分を出したりひっこめたりしながらトランプ切るみたいに忙しい。

そこでビールをくらって、ひといきつくのに寝転んでいると、きょうやいつか、そんないろんな顔をしたそれぞれの自分のことを思い出します。

いろんなわたしがいてぜんぶわたしなんだけど、ああ、あのときのわたしは、君、と呼んでもいいくらい遠くだったかも。なんて場面が浮かんできたりする。


まあ流れる川と同じように、いつでもわたしがそこにいるとも限らないんですけど、そのときの寝転んでいるわたしはその時点での過去を眺めてそう思うわけです。

頭の上の川には、川べりのお家や道路のあかりが反射して、水は絶えず動いて反射してきらきら、それは綺麗で綺麗です。

あかりが強くて見えないけれど、川には星も映っているでしょう。

僕の背中の空は。




と。

浸れる場所があるんだ〜、という話。



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