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  • 執筆者の写真すずめや

早朝の訪問者

昨日はベッドにはいり、眠りのいちばん深くまで潜ろうとしているタイミングで顔面に猫のおやつをのせられるという人生で初めてのいたずらをされた。

顔面にのったおやつを食べる猫の鼻先がくすぐったく、起きたいが眠りの引き摺るちからのほうがやや強い、というたいへんもどかしい状況だった。


久しぶりに夜通しの雨で、気持ちのいい雨音が鳴り続き、あたたかだったのでよい眠りだった。

しかし早朝、珍しくミリの大きな鳴き声がした。

メリはおしゃべりだからよく早朝に鳴くけれど、ミリがなくのは珍しい。

あれ、どうしたのかな、と薄い眠りの中気にしていると、知らない猫の声がした。

は、と起き上がると夫も同じように起き上がってきた。

ふたりともスイッチのはいったおもちゃのように起動した。

いったい誰だ。


廊下の窓の外には集落のおうちで外飼いされている白黒ぶちの黄緑色の目のでっかい猫ちゃんがおり、なにか一生懸命鳴いていた。

いつもおうちの玄関先でどんと構えてすわっていて、落ち着いた雰囲気だったのになんだか焦っているようだ。

雨だから家に帰れなくなったのかもしれない。

わたしはその猫をブッチャーと呼ぶことに決めた。

ブッチャーのために窓を開け、適当な小皿に餌を入れて置いてみた。

ブッチャーは開いた窓にびびって一度のいたが、すぐもどってきて餌を食べ始めた。

餌を食べているブッチャーにミリとメリが騒ぐ。

騒ぐがブッチャーはわりと、なんだようるせえな、くらいのテンションで返しているようだった。

なんにせよなんらかの会話の応酬があった。


奥地に住んでいるのであんまり他のいきもの(人間ふくむ)と交流がない。

けどきょうは世間知らずのうちの猫たちにブッチャーが会ってくれた。

ぬげたも集落のほかの犬に散歩のときに会わせてもらっているらしく、すこしずつ輪が広がるようだ。

人見知りの夫はぬげたの交流会のために犬のいるお宅に遊びにゆき、おやつをもらったりおしゃべりしたりできており、ずいぶん進歩してすばらしい。

散歩による進歩である。


さてわたしはどうかというとまだまだ引きこもっている。

漆喰塗りがうまくいかなかったからもう一度やり直しを段取りしているし、作りたい棚の図面もいくつも引いたし、じっさいひとつ大物を作った。

家族がなんとなく外に向いているがわたしは内側にこもっているかんじ。

こないだはたと気づいたが、我が家はわたし以外のいきものはみんな男性である。

(ドジョーズだけは不詳だが)

そのへんの天秤もかかわったりしているんだろうか。


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