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  • 執筆者の写真すずめや

憧れのよもぎもち

個人的天変地異からしばらく頭の中はたいへんであった。

ある休日の朝に思い立って掃除をはじめたところ手が止まらなくなりそのまま夜までぶっつづけにそこらじゅうを磨いたり収めたり拭いたりするようなことが誰にでも一度くらいはあったんじゃないかと思うがそんなかんじであった。

まあまだ多少の混乱は残るもののおおかたの整理はついたんじゃないかなと思う。


というわけで6月だ。

3年前の6月にこの地に越してきたので感慨深い。

生まれた季節が大好きだし(厳密には月はちがうが)。

3年前の6月に引っ越しと入籍と歓迎会があったので6月は記念がたくさんだ。


引っ越しは京都から陸路だった。

いまは亡き長女猫マリは鼻ぺちゃ族であり、鼻ぺちゃ族のいきものは気圧の変化に弱いため飛行機に乗れないとのことであったため。

免許もとりたてでいちども買ったことないのに事前になんとか岩手で車を買って、そこの人に台車ということで京都で車を手配してもらって1000キロを陸路で行った。

わたしは運転ができないので基本的にずっと夫がぶっ飛ばしていた。


朝の10時ごろだっただろうか。

新緑をすぎて緑が隆盛、森の圧倒されるような深い色、広い広い空を眺めて、にゃんにゃか鳴く猫を宥めて。

この家を通り過ぎてあの角を曲がったら新居だ!というところの、この家、で、老夫婦が臼と杵でよもぎのおもちをついていた。

ご夫婦はなぜかぱっとこちらを見て、お天道様もかくやというばかりの満天の笑顔をみせてくれた。


なんて素敵なところにきちゃったんだ!

ここはとっても幸せな場所にちがいない!

お花畑に聞こえるだろうが無条件でそれを信じられるようなすごくいい風景だった。

あのよもぎもちをいつか食べてみたいものだと思った。

いつか我々もあんなふうに幸せそうにもちをつく人間になりたいものだと思った。

そのよもぎもちを、今日夫がいただいてきた。


ぬげたを連れて散歩するようになって、

ぬげたはめっちゃめちゃに可愛い犬なのでシャイな岩手のみなさんもなんとなく寄ってきてくれることが増えた。

なのでよもぎもちがもらえたのはぬげたの愛嬌のおかげもある。

しかしあのよもぎもちだ。

打ち粉にまみれ、四角に切ってあり、ふにゃふにゃに柔らかく、きなこをわざわざ別袋でつけてくださっていた。

ここではよもぎもちはきなこで食べるのだ。


ちかごろはありがたいことにいただきものが多くて、ありがたい(繰り返しているがありがたいのでありがたいのである)。

しかしよもぎもちは別格に思い入れがあったのでとても嬉しかった。

わたしはもったいないとかいって食材を溜め込むくせがあるので意識して早めに食べちゃわなきゃならない。

食べない方がもったいないんだぞ。



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