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好きって言う

執筆者の写真: すずめやすずめや

まあたとえばあの、脂ぎった虫。

わたしんちにきたらだめなんですよ、

ほんと怖気を振るうほど、生理的に無理なんです。

どうしたってつぶします。


だからって、彼らはいきものが地球の地上に生きられる環境になってからと同時期くらい(だったっけ)とにかく長く生きていて、種族として、なにかの歯車になっているんですよね。

鴨川のみずべりでのんびりしてるのを見かけたからってつぶさないです。

そんときゃ、わたしも彼らも、ただ鴨川を愛しているいきもの。

おうちなんか人間が勝手に建てたものだけど、でも縄張りってなみんないきもの、持ってるもんでしょう。


あの俳優さんが亡くなりました。

追いかけていたわけではないけど、出演作が本当に多かったので、見かける人でした。

流し見をしていた映画の中で、はっとする演技をされていて、それで、ああこの人が有名な彼か、と調べたのでした。


人に向ける刃として、

もうわけもわからず噴射する殺虫剤とはちがって、

言葉っていうのは、使い慣れた得物です。

明確に傷をつけられる人の方が、多いでしょう。

傷つけられた経験がある人のほうがきっと多いでしょうし。


そのように、刃として言葉を向けられたことがあります。

ほんとうにやっかいで、紙で指を切っちゃったような薄い傷でも膿んでしまったりして、ゲームや漫画で出てくるような、服薬すれば一瞬で全ての病みが治るような薬があればよかったんだけど、なくて。

100の嬉しいで、薄い傷のひとつがなおる。

なおったかて、傷痕や記憶は残る。

なかなか抜け出すのはむつかしい、

悟りなんていわれる領域ってくらいじゃないでしょうか。


だから軽薄だろうが好きと言います。

かわいいといいます。

嬉しいといいます。

それでいいことあったよ、の目盛りがひとつ、増えるかもしれないし。


ひとの心情がどうでもいいから傷をつけるのでしょ。

こういうことが、軽薄でコンニャロ、だと思われたとて、万が一マイナスだとしても、傷にはならんはずだ、と思う。

発する言葉が免疫のひとつになれたらいい。


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