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執筆者の写真すずめや

北白川から

午前中はねむりこけ(すごく珍しい)、午後からはパートナーと助け合い荷物詰めをし、夕方からは友人とごはんのため出かけました。


かえさんという友人、私と同じ歳の息子さんがいるおともだち。

かえさんのか、は、わたしのなまえのか、とおなじ漢字で、かえさんのえ、は、衛るのえ。

ちょうどごはんの予定もたったのやから、これがご縁と思って証人のはんこもおねがいしました。

婚姻届ってななかなかめんどくさく、本籍のやつとかひとさまからはんこをもらわなきゃならないとかいろいろあるのです。

でもかえさんに会えたからよかった。


北白川のイタリアンへ行き、はらぱんぱんに食べ、のみ、そのおみせも大学時代によく行ったところ。

おかねもないのに背伸びして、おいしいものを食べに行ったあったかいお店。

もともと京都に来たきっかけが大学進学でしたので、思うね、センチメンタルはだいたいその時代にある。


おなかぱんぱんで歩いて帰る、

北白川、今出川、百万遍で、出町柳。

ここはむかし本屋さんだった、あのまんがを買ったのはここだった、このラーメン屋さん、試験明けにみんなで啜ったな。

あの綺麗なマンションにあの子が住んでた、このお寿司屋さんではあの子が働いていた、この川むこうのあのしげみに餌付けされたぶちの猫がいた。

あのお地蔵様を登る坂道の上で働いてた、このでっかいお屋敷の裏にちいさなバレリーナが通っていたお教室があった、この鳥居のそばにむかしは屋台があって、この鳥居を抜けて山を登ったこともあった。

ここを曲がると朝方までやっている不思議な地下の酒場があった、そういえば吉田寮に泊まったこともあった、ふりかえり、建物にはさまれた窮屈そうな比叡山。

大の字の燃えるのを見ようと自転車でくるくる回ったんだった。


いつ見ても光っていなかった、すずらんのかたちの電灯は、今日も光っていなかった。

さよなら京都、またいつか。

寂しくなったらまた来るよ。


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