首里城が大変なことになってしまいました。
それで、沖縄にいったあの高校の修学旅行のこと思い出していて、あのとき狂ったように世の中の高校生が聴いていたモンゴル800っていうバンドの、あのときのうたたちを聴きなおしながら作業をしていました。
いまはもう、新しい歌詞にふらつくことってあんまりなくなった。
音楽とことばがだいぶん、聴いている脳が別々に育ってきたからです。
ことばはことばになったし、メロディはメロディだし、バンドはバンドの、って細分化された聴き方になってきていて、だからいまはヒップホップが気になっていますね。あれはぜんぶまぜこぜだもんな。
ふだんは日本語のうた、あんまり聴かなくなりました。
外国語のやつは語呂とか気に入ったやつ歌詞の意味を調べたりしますけども。
あっそう、それで、ラブソングの聴きかたについて。
あらためてみたらあの高校生の思春期真っ盛りの青い時代に夢中になって自分の恋や想いを投影できた曲を作っていたのって、まあふつうにおっさんなんですよね。
これはなんにつけてもそうですけど。
おもちゃを作るのもアニメを作るのも具体例だしちゃえばシルバニアファミリーだっておっさんが作っているわけですよね。まあこれはいいか。
ようやくいま作家として食えるようになってきて、つくるでいきるの腹もちゃんときまって、芸術や表現に対してのぶつかり稽古もすませたところで。
高校生のあのころ、自分の恋を投影していたあの数々のラブソング、あれはあの時感じた等身大の恋の話ではなくって、彼らの曲作りへの愛を恋に変換してうたったものなんじゃないかなあと、まあわたしはそう定義して聴いたりしてます。
あなたに逢いたくて/眠れない夜
夢で逢えたら/考えすぎて/眠れない夜
夢で逢えたら/どこへ行こうか
あなたがいれば/どこでもいいよ
たとえばこんな歌詞なんですけれども、あなた、が製本、だと置き換えて考えたらもうすごいよくわかるんですよね。
もっといえばつくる、です。
かっこよくいっちゃえば芸術です。
あなたがいればどこでもいいから、考えすぎたら眠れなくなったりまあボロボロになったりしていたのです。
あたしは君の/メロディーやその/哲学やことばすべてを/守り通します
君が其処に/生きてるという真実だけで/幸福なんです
こちらは椎名林檎さんの歌詞ですけども、そうなのこれこれーーっておもいますね。
売って糧を得ている以上、おきゃくさまっていう呼び方になってしまいますけれども、そういう意味でのあなたに対する気持ちってこれくらいはあるんですよ。
そういう意味でぼくの考える最強のラブソング職人はやっぱりスピッツの草野正宗さんですね。
もともとことばに開眼するきっかけをつくってくれたひとりでもあるし、あと音楽のききかた、いま言っているような歌詞の解き方を教えてくれた。
それからほんとに恋ですね。
いまでも正宗さんのお嫁さんになりたいですもの。
ではかの有名な一曲を上げますわね。
これは君、はまるまる製本のこと、つくるのことに置き換えてわたしは聴いてぐっときています。
髪の匂いなんてことばもあるしね。
(もちろん脳内変換は紙の匂いです)
君と出会えた奇跡が、の部分が君と出会えた痛みが、っていう歌詞だったこともあるそうでそれをふくめてつくるのうたに聴こえますね。
ではどうぞ。
幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕を おどけた歌でなぐさめた
色褪せながら ひび割れながら 輝くすべを求めて
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
ずっとそばで笑っていてほしい
切り札にしてた見えすいた嘘は 満月の夜にやぶいた
はかなく揺れる 髪のにおいで 深い眠りから覚めて
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでも
ずっとそばで笑っていてほしい
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる きっと今は自由に空も飛べるはず 夢を濡らした涙が 海原へ流れたら ずっとそばで笑っていてほしい
空も飛べるはず/作詞 草野正宗
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