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執筆者の写真すずめや

カメムシ憎し

厳しい冬の前のうららかな秋晴れ、

気温は20度ちかく、ぽかぽかと温かく、猫も伸びて眠る。

そんな貴重な陽気の日にはカメムシが窓際にほんとうにわんさとやってきます。

憎らしい憎らしい。

こんなに気持ちの良い日に憎らしい。


いきものにそんな気持ちを持つのは良くないことです。

しかし臭すぎるしなにより量が多すぎる。

かわいいちょうちょだったとしてもこの数いたらぞっとするぞ。

殺虫剤のたぐいを使うのは本意ではないがこれは無理でありますと評判のいいのを撒いてみたらけっこう効果はあったようですがそのカメムシ薬は油性で窓際に塗りたくるやつでそうするとせっかくの素晴らしい風景が油で汚れた窓ガラスで曇るのです。

憎らしい憎らしい。

それでも来なくなるわけではない、

しょうがないってわかってる。

彼らの陣地にやってきたのはわたしたちのほう。


それでもうららかなお天気の日に窓ガラスにへばりつく彼らの足跡やいつのまにか入り込んだ彼らの羽音でこの良き日、この良き陽に没頭できずびくついてしまうのは憎たらしいことです。

机に向かって耳をすませば彼らの活動の音がする!!

レースカーテンにへばりついてるやつなんかぜんぜんとれんよ、

彼らの足の爪はたぶん特殊なんです。

カーテンにへばりついたままなぜか絶命しているのもいました。

ひっかかってるにちがいない。

憎らしい憎らしい。

しかしこれはなんと平和な憎しみでしょうか。






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