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執筆者の写真すずめや

りょうくんとたまごとぼく

りょうくん(木下)

バイト先の後輩で世界について考えが浮かぶと話しかけにくる

ぼく

この子自分の恋人とそんな話でけへんにゃろかと少し心配している



「むらまつさんに言いたいことあったんす、たまご」


”たまご。”


「たまごやばくないですか。シレーっとならんでますけどあの中でこう、細胞が分裂してひよこになるんすよ、こないだの宇宙の話からずっと考えとんす」


”なんか最新の研究では宇宙の外側に宇宙だまがいっぱい浮かんでんやないかって話らしいで”


「たまごみたい」

「いやいのちのはなしです」


”ベジタリアンする人の中にはそれが理由ってひともいるのかもね”


「そりゃおかしいっす、(野菜をさして)あいつらだってこんーなちいさい種からあんなでかくなるんですよ。おんなじ神秘ですよ。」


”なあぼくらの宇宙もあんなふうに並んでるたまごのなかのひとつかもしれんよ”

”てゆうか生まれる前にたまごみたいにわられた世界もあるのかも”


「いやひよこやばいですひよこ、世界があのなかで始まってる」


”ぞっとするようやけど、そんなもんなのかもね、おおきいことだけどしれっとそばにあるものなのかも。”


「思うんすけど、人間て五感ですけど、それ以外の感覚、自分らが絶対わからん感覚がこの世の中?世界?にあると思うんすよ」


"ああそれは、すごいわかる"


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