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  • 執筆者の写真すずめや

ぬげたの進出

新入り猫モリと三男坊メリの関係が良くないのでなかなか落ち着かないちかごろだけどそれに加えて犬のぬげたが家じゅうを歩き回るようになってしまって大変である。


ぬげたは自分のケージのある台所からはずっと出なかった。

たまに前足だけはみだしてることがあったけど自らでることはほとんどなかった。

来たばかりのころ、家を案内したら玄関に放尿してしまって叱られて、それから。


少し前にモリとメリ仲良し作戦として、寝室にふたりがいる状態でぬげたをけしかけ、勇敢なメリがモリをかばってぬげたを威嚇、それをみたモリがメリってばいいやつ、と考えを変えてめでたしめでたし、というのをやった。

台所から呼ばれたぬげたはおずおずと寝室にやってきたが、猫のことは大好きなのですぐモリメリのにおいをかぎだした。

目論見通りメリは威嚇に猫パンチ、ぬげたはすごすごと退場した。

モリはそれをみていたけど別にメリに対する気持ちは変わらなかったみたいだ。


変わったのはぬげたで、台所をでる楽しさを知ってしまった。

ぬげたは猫が好きなのだ。

猫はぬげたのことあんまり好きじゃないけど。

それに陽の光があまり入らない台所より玄関や廊下のほうが変化に富んでいて楽しいに決まっている。

大好きな猫ちゃんのにおいがたくさんする。


アトリエの三十畳の広間にも油断するとぬっとやってくる。

先住猫チームのミリメリはいつもアトリエのわたしのそばでリラックスして寝そべっているのでぬげたがやってくるのは一大事だ。

ぬげたはいったん距離を置いてすわりこみ、猫たちが油断したところで足音をたてずに近寄るという技を身につけた。

とはいえぬげたはでかいので気配を消しても目視されすぐに警戒されるけれどもまあ涙ぐましい努力ともいえる。


家の中の関係が複雑になってきた。

この時期はぬげたにへばりついてくるダニヒル問題もあるんだ。

そして家の外では畑が始まって種だの苗だの大変だしいまわたしの仕事もてんこもりあり、のんびりした風景とはうらはらの忙しき日々となっている。


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