今回の催事では仲良くしてくれている女性革職人のはるかちゃんと期間がかぶったのでこれ幸いと忘年会とかこつけていいお肉を食べに行った。
そのお店は以前にすごくいい売り上げがたったときに舞い上がってひとりで突撃したおしゃれ焼肉店で、はるかちゃんとも一度ふたりで行ってふたりともの気に入りとなっている。
今回はそこに共通の知り合いである脚本家のにーらちゃんも入って三人体制での焼肉となった。
年齢が年齢なのでひとりやふたりでは食べたいメニューを頼み切ることは難しい。
今回は三人となりいろいろたべられて大変よかった。
はるかちゃんは東京生まれ東京育ちで好きなものは好き、嫌いなものは嫌いとはっきり言う人であり、フィレンツェで修行した革職人であるがわたしは彼女のことをギャルとみなしている。
カラフルな色使いやモチーフを好む、卑屈なところが一切ない、パワフルでフットワークが軽くてよく食べよく飲むギャルである。
にーらちゃんとははじめてごはんに一緒に行った。
同い年で、脚本家という職業柄か、使う言葉のすべてに気遣いとリスペクトがびしびしに詰まっており繊細にものごとを見る人だなという印象。
湿り気や陰気さのようなものを全く出さない、という点ではるかちゃんと仲が良いのがよくわかる。にーらちゃんもギャルかもしれない。
たいへんに旨い肉とワインとをがぶがぶやり、同年代の女三人が集まるとこうなるか、というところだがお互いのパートナーについての話や、いやあれは恋バナといっていいのかもしれない、そういうギャルギャルしい話を、酔いの進むにつれかしましくけたたましく話し続け、最終的にもうこの辺でホテルとって寝るか!という判断になりコンビニでまた酒を買って近くのビジネスホテルになだれ込むという遊び方をしてしまった。
酔っ払ったわたしは一丁前に喫煙の部屋をとると言ったようで彼女らと別室のはずだったがいのいちばんにベットに転がり眠りこけてしまい、非喫煙者のにーらちゃんを喫煙の部屋においやるという非道をかましてしまった。
起きていたふたりは朝の3時までおしゃべりを続けていたらしい。
彼女らに比べて早く寝たわたしでもだいぶグロッキーだったというのにはるかちゃんはそもそも体調が万全でなかったため顔が真っ白だった。
にーらちゃんはハキハキとしていた様子だったが彼女の気遣いによるものかもしれない。
近ごろはお酒を楽しく飲んでなんやかやとやらかしている。
わたしはお酒が好きだけれども、実はけっこう長い間、心から楽しんでお酒を飲んで馬鹿になるというのを避けていた。
どこかで冷静にいようと努力していたし、そういう努力を気づかれないようにさらに努力をしていたし、だから好きではないひととお酒を飲むときに限って飲みすぎて前後不覚になったりしていた。
でも近ごろは好きな人たちと楽しくお酒を飲んで素直に心を開くというのができるようになってきた。
そのおかげで転んで顔面を怪我したりいい歳してトイレに駆け込むようなこともあるのだけど、それも嬉しい。
素直に人を信頼し、話し、心を開くというのは、二日酔いで苦しいときでさえもこんなに爽やかな風が吹くものなのかと楽しんでいる。
個人的に長年あった苦しみのいくつかが、ここ数年で氷解していっており、それで楽しくお酒が飲めるようになったんだと思う。
いい夜を過ごした。
わたしはこれから友人たちとまた新しく友人になっていくことができるのだと思う。
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