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えらべなくなる

  • 執筆者の写真: すずめや
    すずめや
  • 10月28日
  • 読了時間: 2分

名古屋丸善での一週間が終わりました。

ご来場ありがとうございました。


ワンオペが長くなってくるとだんだんものが選べなくなってくる。

都会にいると普段の生活では本当に有り得ない量の選択肢と消費への煽りが溢れているので頭がくたびれてしまうのだ。

それに加えていつもよりたくさん人と会っておしゃべりをしたりするし、ただでさえ処理しきれないくらいに刺激と情報が多いのだ。


お昼を選ぶにしても、まずどこのお店にするか選び距離をはかり店を抜ける時間帯を見計らい席に着いたら着いたでめくるめくメニューのなかからひとつを選び、と思ったら追加でこちらもいかがですかなどと聞かれたりするのでまた一考がはいり、それがラーメンやカレーみたいなワンプレートだったらよいものの、定食みたいなものだとまずどれに箸をつけ、ご飯とおかずを綺麗に食べ切るにはと考えながら食べ進めてゆく。

開店から閉店までのお店番を終えてくたびれて帰る途中にも買い物をせねばならぬ。

今回は途中で怪しい風邪の予兆のようなものがあったので、じゃあ薬局にたちよってなにか不調を撃退できそうなものを選ぼう、となるとまたもやめくるめく選択肢のなかから選び取らねばならぬ。

毎日帰り道に明日の朝ごはんのことまで決めておかないといけない。

明日の朝、自分が何を食べたくなるかなんてわかるわけがないのに、それでも帰り道に朝ごはんを買うかどうか決めておかなきゃいけない。

最終日である今日の帰りにはもう、自分が何を食べたいのかぜんぜんわからなくなって、たくさんの売り文句、これがおいしい、今売れてます、おすすめ商品!といった語句が読めなくなってしまった。

わかんなくなって、おいも、りんご、たまご、みかん、とぼやけた頭で視認できたものをカゴに入れた。

ポテトチップスとりんごのチューハイとゆでたまごとビタミン入りだというオレンジジュース。


これがワンオペでなく、周りに誰か仲間がいたりすると、ねえ今日は何食べる?一緒にあそこ行かない?みたいなささやかな会話や誘いがあったりして、それがたぶん、何かの助けになって、こんなふうに頭がくたびれすぎることはあまりない。

一人で先のことまで考えながら今を決めていくのはくたびれることだ。

一人で暮らしていた時間もずいぶん長かったのに一週間ぽっちでこんなにくたびれてしまっておかしなことだと思う。

早くおうちに帰りたいなあ。


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