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  • 執筆者の写真すずめや

ある少年の片想い

あふれてこぼれてしまうことを

ぼくはいのる つよくいのる


吐き出すけむりがたゆたうかべの中を

まえもうしろも気にせずに進むきみを

描きつづけてこのまましんだら

ぼくのむくろははじけてしまって

永遠にながれでる 川のもとになる


川はいつでも海へつづいて

その表面は月が照らそうが陽が照らそうが

ぎんいろにひかる いつもひかる


そんなぼくにこのあとなるから

だから いのるを ゆるされる


ゆるされないものは

きみのいる場所を

守るかべが通さない


この世にかたちを持ってあらわれないきもちだ


ぼくはそうすることできみをまもる


かべの本質はいつでも固い


ぼくが守ろうと思わなくても

かべはきみを守っているから必要はない


あふれてこぼれてしまうことを

いのりながらえがきつづけて

きっとかたちにしないだろう


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