すずめや
ある少年の片想い
あふれてこぼれてしまうことを
ぼくはいのる つよくいのる
吐き出すけむりがたゆたうかべの中を
まえもうしろも気にせずに進むきみを
描きつづけてこのまましんだら
ぼくのむくろははじけてしまって
永遠にながれでる 川のもとになる
川はいつでも海へつづいて
その表面は月が照らそうが陽が照らそうが
ぎんいろにひかる いつもひかる
そんなぼくにこのあとなるから
だから いのるを ゆるされる
ゆるされないものは
きみのいる場所を
守るかべが通さない
この世にかたちを持ってあらわれないきもちだ
ぼくはそうすることできみをまもる
かべの本質はいつでも固い
ぼくが守ろうと思わなくても
かべはきみを守っているから必要はない
あふれてこぼれてしまうことを
いのりながらえがきつづけて
きっとかたちにしないだろう
